配管の接続などに用いる管継手の呼び方や接続方法について
配管系の組立には欠かせない配管材料・配管部品である配管継手の種類には、その使用用途や目的、材質、接続するパイプの種類などによってたくさんの種類の配管継手がありますが、ここでは、管継ぎ手の呼び方や接続方法による種類について説明します。
■ 配管継手の呼び方|継手サイズの呼び方
配管継手は、配管系の組立をするためにパイプ接続などに使われる配管部品ですが、配管の曲がり部にはエルボ、分岐部にはティー(T)やY、配管サイズを変える場合にはレジューサーなどが用いられます。
それらの管継手の呼び方・表示方法は、継手に接合するパイプの呼び径によって表示されます。
また、径違いの配管継手の呼び方は、以下の例のように表します。
- 2個のサイズ(口径)をもつ場合
継手接続口のサイズ(径)のおおきなものを@、小さなものをAとして表します。
下図の例参照。
表記例:”4B×2B レデューサー” 又は ”100A×50A レデューサー”
- 3個のサイズ(口径)をもつ場合
同一中心にある継手接続口のサイズ(径)の大きいものから順に@、次にAとし、残りをBとして表します。
下図の例参照。
表記例:”4B×3B×2B” 又は ”100A×80A×50A”
- 4個のサイズ(口径)をもつ場合
最大の継手接続口のサイズ(径)を@、これと同一又は平行な中心線上にあるサイズをA、残り2個のうちサイズの大きいものをB、小さいものをCとして表します。
下図の例参照。
表記例:
上図左:”4B×4B×3B×2B” 又は ”100A×100A×80A×50A”
上図右:”4B×3B×2B×1B” 又は ”100A×80A×50A×25A”
■ 配管継手の接続方法の種類
配管継手(フィッティング)を接続方法により分類すると、以下の種類があります。
- ねじ込み形(Screwed Type)
- 差込み溶接形(Socket Weld Type)
- 突合せ溶接形(Butt Weld Type)
- フランジ形(Flange Type)
それぞれのタイプの特徴などは以下の通りです。
- ネジ込み形(Screwed Type)
- 一般に1/8B〜6B(6A〜150A)の範囲で規格されており、鍛造品や可鍛鋳鉄製などがある。
主に低圧・低温であまり危険性のない水・空気・燃料ガス・燃料油・低圧蒸気・機械設備などの配管に多く用いられる。
気密性に信頼が置けないために、危険ガスや毒性流体を通す配管系には用いることは基本的に無い。
また、ネジ切り加工や取り付け及びその後の漏れに対する処置などを考えた場合、4B(100A)以上などの配管については、溶接施工の方が有利となる。
装置工業の分野では、プロセス配管にはねじ込み管継ぎ手は使用されないのが一般的である。
エルボ、レデューサー、ティーなどのネジ込み配管継手には、おす形のもの、めす形のもの、或いはめすおす形のものがある。
ねじ込み形の継手のJIS規格には以下がある。
・JIS B 2301 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手
・JIS B 2302 ねじ込み式鋼管製管継手
・JIS B 2303 ねじ込み式排水管継手
・JIS B 2308 ステンレス鋼製ねじ込み継手
ねじ込み継手の接続ネジには、一般に JIS B 0203(管用テーパねじ)に規定される管用テーパネジが用いられる。 - 差込み溶接形(Socket Weld Type)
- 1/8B〜3B(6A〜80A)の範囲で規格されているが、一般には、1・1/2B(40A)以下の小口径配管に多く使用される継手である。
ソケット溶接形とも言われる。
小口径配管は一般にパイプ肉厚が薄いために、一般的に使われている被覆金属アーク溶接の突合せ溶接では技術的に難しいことや、溶接に際してはパイプ内面にたれ込みなどの不具合が発生しやすいなどのことから差込み溶接が採用されている。
差込み溶接形の継手のJIS規格には以下がある。
・JIS B 2316 配管用鋼製差込み溶接式管継手 - 突合せ溶接形(Butt Weld Type)
- 通常1・1/2B(40A)或いは2B(50A)以上の配管に最も多く使用されている配管継手である。
突合せ溶接形の配管継手の肉厚は、一般にパイプと同様にスケジュール番号方式で規定されている。
突合せ溶接形の継手のJIS規格には以下がある。
・JIS B 2311 一般配管用鋼製突合せ溶接式管継手
・JIS B 2312 配管用鋼製突合せ溶接式管継手
・JIS B 2313 配管用鋼板製突合せ溶接式管継手
・JIS B 2321 配管用アルミニウム及びアルミニウム合金製突合せ溶接式管継手
突合せ溶接形継手のエルボやティーは素管から製造され、レジューサーやキャップなどは形鍛造により製造させるのが一般的である。
エルボには、曲げ半径が1.5Dのロングエルボと1.0Dのショートエルボがあるが、一般的には前者が使用される。 - フランジ形(Flange Type)
- フランジ形の配管継手は、例えば、鋳鉄配管や塩ビなどのライニング配管などに使用する場合が多い。
ゴム・ガラス・樹脂などのライニング配管を用いる場合には、これらのライニング加工を行う前に、パイプ・エルボその他総てのフィッティング類にフランジをあらかじめ溶接などで接合して使用する。
この場合、寸法・形状はそれぞれのメーカーの規格によって製作されている場合が多い。