配管用鋼管|各種炭素鋼鋼管やステンレスパイプなど

ここでは鋼管を用途別に分類した場合、配管用鋼管に分類される鋼管の種類について解説しています。

配管用に用いられる配管用鋼管とは、一般に、配管の内部に気体・液体・粉体などの流体を通し、それを輸送するために用いる鋼管を意味し、鋼管の中でも最も一般的なものです。

配管用鋼管は、特定の寸法が標準寸法として定められていて、外径についてはA呼称・B呼称などの呼び径があり、配管の肉厚については呼称サイズごとに定められた肉厚を示すスケジュール番号と呼ばれる一連の寸法体系となっています。

SGP(配管用炭素鋼鋼管)、STPY400(配管用アーク溶接炭素鋼鋼管)、STPG(圧力配管用炭素鋼鋼管)、STS(高圧配管用炭素鋼鋼管)、STPT(高温配管用炭素鋼管)、STPA(配管用合金鋼鋼管)、STPL(低温配管用鋼管)、SUS304TP等(配管用ステンレス鋼管)、SUS304TPY等(配管用溶接大径ステンレス鋼管)、など、JIS規格にも多数の規格配管があります。

配管用鋼管|用途別種類


■ 配管用鋼管

配管用炭素鋼管(SGP)
JIS G 3452
比較的低い圧力(1.0MPa[10kgf/cm2]以下)の水(上水道用を除く)・空気・蒸気・油・ガス等の流体の輸送用、SGPを原管としたプラスティックライニング鋼管(上水道用)、耐溝状腐食電縫鋼管(電気抵抗溶接鋼管の溶接部に発生する恐れのある溝状腐食の防止対策を施したもの)など。
・対応外国規格(参考):
ASTM A53(F) / BS 1387,3601 / DIN 2439,2440,2441 / API 5L
・製造方法 : 鍛接、電気抵抗溶接
・用途分野 : 建設・土木・機械
圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)
JIS G 3454
比較的高い圧力〔10MPa(100kgf/cm2)以下〕の水・空気・蒸気・油・ガス等の流体の輸送用、耐溝状腐食電縫鋼管(電気抵抗溶接鋼管の溶接部に発生する恐れのある溝状腐食への防止対策を施したもの)など。使用温度は−15〜350℃程度。
・対応外国規格(参考):
ASTM A53(A/B),A135,A523 / BS 778,3601,3602 / DIN 1626,1629,17172 / API 5L
・製造方法 : 継目無(シームレス)、電気抵抗溶接
・用途分野 : 建設・土木・機械
高圧配管用炭素鋼鋼管(STS)
JIS G 3455
使用圧力10Mpa程度をこえる高圧流体輸送管。圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)の範囲を超える高圧で使用される配管に用いられる。
・対応外国規格(参考):
ASTM A155,A524,A381,A672 / BS 778,3602 / DIN 9871,1629 / API 5L
・製造方法 : 継目無(シームレス)
・用途分野 : 建設・土木・機械
高温配管用炭素鋼鋼管(STPT)
JIS G 3456
主に350℃を超え、450℃以下の環境で使用される配管に用いられる。
・対応外国規格(参考):
ASTM A106,A672 / BS 3602 / DIN 17175,17177
・製造方法 : 継目無(シームレス)、電気抵抗溶接、アーク溶接
・用途分野 : 建設・土木・機械
配管用アーク溶接炭素鋼鋼管(STPY)
JIS G 3457
比較的低い圧力〔1.5MPa(15kgf/cm2 )以下〕の水・空気・蒸気・油・ガス等の流体の輸送用など。使用温度範囲は−15〜350℃程度。STPY400が代表的な材質。
・対応外国規格(参考):
ASTM A134,A211,A139 / BS 3601 / DIN 1626,17172 / API 5L
・製造方法 : アーク溶接(UOE、スパイラル、板巻き)
・用途分野 : 建設・土木・機械
配管用合金鋼鋼管(STPA)
JIS G 3458
主に350℃を超える環境で高圧で使用される配管など。Cr, Moなどの元素を含有し、ボイラ用、化学工業用の高温、高圧配管。
・対応外国規格(参考):
ASTM A335,A405 / BS 3604 / DIN 17175,17177
・製造方法 : 継目無(シームレス)
・用途分野 : 建設・土木・機械
配管用ステンレス鋼鋼管(SUS-TP/SUS-TPY)
JIS G 3459(配管用ステンレス鋼管)/JIS G 3468(配管用溶接大径ステンレス鋼管)
耐食性、耐熱性、耐高温酸化性、極低温特性に適した配管。材種としては、SUS304が最もポピュラー。SUS304-TP、SUS304-TPY など。
・対応外国規格(参考):
ASTM A312,A409,A376,A358 / BS 3605 / DIN 2462,2463,17440
・製造方法 : 継目無(シームレス)、TIG溶接
・用途分野 : 建設・土木・機械
低温配管用鋼管(STPL)
JIS G 3460
主に−15℃以下の環境での空気・油・ガス等(冷凍工業、化学工業、LNGプラント用など)の流体の輸送用などに用いられる。
・対応外国規格(参考):
ASTM A333,A671 / BS 3603
・製造方法 : 継目無(シームレス)、電気抵抗溶接、アーク溶接
・用途分野 : 建設・土木・機械
水配管用亜鉛めっき鋼管(SGPW)
JIS G 3442
配管用炭素鋼鋼管(SGP)を原管とし、亜鉛めっきを施して耐食性を増した鋼管。亜鉛の付着量は配管用炭素鋼鋼管(SGP)の白管より多い。静水頭100m以下で上水道以外の空調,消火、排水、工業用水等の水配管に幅広く使用される。
・対応外国規格(参考):
BS 1387
・製造方法 : 鍛接、電気抵抗溶接
・用途分野 : 建設・土木・機械
水輸送用塗覆装鋼管(STW)
JIS G 3443-1,-2,-3,-4
主として静水頭100m以下の水道供給管に使用される。水道以外にも工業用水、農業用水等にも使用される。強度レベルなどの違いにより、SGP相当品、STPG370相当品、STPY400などを原管とする。鋼管の内外面に、ポリエチレン(JIS G 3469)、アスファルト(JIS G 3491)あるいはコールタールエナメル(JIS G3492)を塗覆装した鋼管。
・対応外国規格(参考): −
・製造方法 : 鍛接、電気抵抗溶接、アーク溶接(UOE、スパイラル、板巻き)
・用途分野 : 建設・土木・機械
モルタルライニング鋼管
JIS G 3443水輸送用塗覆装鋼管あるいはPLP鋼管の内面にセメントモルタルをライニングした鋼管。ライニングは日本水道協会規格あるいは日本水道鋼管協会規格に従って施工されるのが一般的。
・対応外国規格(参考): −
・製造方法 : アーク溶接(スパイラル鋼管、板巻き鋼管)
・用途分野 : 建設・土木・機械

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