炭素鋼鋼管|材質・材料によるパイプの分類-炭素鋼管の種類一覧と規格概要
ここでは、炭素鋼鋼管(炭素鋼管)の種類にはどんなものがあるかを、以下で解説しています。
鋼管・パイプの種類のうち、いわゆる”配管・鋼管・パイプ・チューブ”を、パイプ材質・材料別に分類した場合に、材料・材質が”炭素鋼”である鋼管・パイプをまとめています。
■ 炭素鋼とは?
まず、炭素鋼とはどんなものでしょうか。
炭素鋼とは、”たんそこう”と読み(英文では carbon steel)、鉄(元素記号:Fe)と炭素(元素記号:C)の合金(英文では”Alloy”といい、複数の金属元素又は金属元素と非金属元素からなる金属様のもの)のことです。
炭素鋼は、含まれる合金元素のうち、炭素含有量(C含有量)が、最低で0.02%から最大で2.14%まで含有されている合金の一種になります。
鉄鋼材料としては、最も一般的に広く利用されている材料であり、普通鋼とも言われる場合があります。
炭素鋼に限ったことではありませんが、炭素鋼には含まれる合金元素として、炭素(C)のほかに、珪素(Si)、マンガン(Mn)、りん(P)、硫黄(S)があります。
これらの元素は、意図的に成分として入れたものではなく、炭素鋼製造時に不純物として製造時に残ったものです。
炭素鋼は、焼入れ・焼戻し・焼なまし・焼ならしなどの熱処理を施すことによって、耐力・引張強さ・伸び・絞り・硬さなどの機械的性質を大幅に改良・改善することができます。
また、炭素鋼は一般に炭素(C)含有量が多くなると、引張強さや硬さがを大きくすることができますが、その反面、伸びや絞りが減少して、切削性などに劣る性質になります。
炭素鋼は、含まれる炭素含有量(C含有量)の多い・少ないにより、以下のように分類されて呼ばれる場合があります。
- 低炭素鋼(C含有量:0.3%以下)
- 中炭素鋼(C含有量:0.3%を超え0.7%未満)
- 高炭素鋼(C含有量:0.7%以上)
上記のように分類されるそれぞれの炭素鋼の特徴・性質などは以下のようになります。
- 低炭素鋼の特徴・性質
- 低炭素鋼は切削性、冷間加工性、溶接性が良好。
- 中炭素鋼の特徴・性質
- 冷間加工性、溶接性、は低炭素鋼よりやや劣るが、焼入れ・焼戻しを行うことで強度及び靭性を兼ね備えた強靭性が得られる。
- 高炭素鋼の特徴・性質
- 焼入れ硬化性が低炭素鋼・中炭素鋼より更に大きくなるため、工具類の材料などとして使用される。特に炭素含有量(C含有量)1%以上の鋼は炭素工具鋼(SK材)として別に規定されている。
■ 炭素鋼鋼管|炭素鋼管の種類一覧及び規格の概要
鋼管・パイプの種類うち、鋼管の材料・材質が炭素鋼鋼管で製造される鋼管・パイプのJIS規格を、英文(英語名)のタイトルとその規格の概要とともに以下にリストアップします。
- JIS A 5525 鋼管ぐい
- Steel pipe piles
概要:
土木・建築などの構造物の基礎に使用する溶接鋼管ぐいについて。
地すべり抑止用のくいを含み、地すべり抑止用の継目無鋼管及び遠心力鋳鋼管には、それぞれ、JIS G 3444 及び JIS G 5201 がある。
くいの種類には、SKK400とSKK490 の2種類がある。
種類の記号、くいの構成及び各部の呼び名、化学成分、機械的性質、溶接材料及び付属品、形状・寸法・質量・及びその許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS A 5530 鋼管矢板
- Steel pipe sheet piles
概要:
土留め、締切り、構造物の基礎などに使用する鋼管矢板について。
鋼管矢板の種類には、SKY400とSKY490 の2種類がある。
鋼管矢板の記号、鋼管矢板の構成及び各部の呼び名、化学成分、機械的性質、溶接材料並びに継手・連結継手及び付属品、形状・寸法・質量・及びその許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS F 3993 作業船用船外排送管
- Discharge pipes for dredger
概要:
主としてポンプしゅんせつ船に用いる船外排送管について。
船外排送管には、沈設管(海中に布設するもの)、海上管(海上に布設するもの)、陸上管(陸上に布設するもの)の3種類がある。
船外排送管の管部の材料には、呼び径400以下のものは、JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)又はJIS G 3452(配管用炭素鋼管)に規定するSGPが用いられ、呼び径400を超えるものは、JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)のSS400が用いられる。 - JIS G 3442 水配管用亜鉛めっき鋼管
- 英文(英語名):
Galvanized steel pipes for ordinary piping
概要:
水道用及び給水用以外の水配管(空調、消化、排水などをいう)に用いる亜鉛めっき鋼管について。
配管用炭素鋼鋼管(SGP)を原管とし、亜鉛めっきを施して耐食性を増した鋼管。亜鉛の付着量は配管用炭素鋼鋼管(SGP)の白管より多い。静水頭100m以下で上水道以外の空調,消火、排水、工業用水等の水配管に幅広く使用される。
水配管用亜鉛めっき鋼管の記号は、『SGPW』で表される。
種類及び記号、材料及び製造方法、亜鉛めっき試験特性、寸法・寸法許容差及び質量、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3444 一般構造用炭素鋼鋼管
- Carbon steel tubes for general structural purposes
概要:
土木、建築、鉄塔、足場、支柱、地すべり抑止ぐい、その他の構造物に使用する炭素鋼鋼管について。
ここで規定する一般構造用炭素鋼鋼管は、継目無鋼管及び外径318.5mm未満の溶接鋼管に限るものであり、外径318.5mm以上の溶接鋼管の基礎ぐい及び地すべり抑止ぐいには適用しない。
構造物の基礎ぐい及び地すべり抑止ぐいには、JIS A 5525(鋼管ぐい)、遠心力鋳鋼管の地すべり抑止ぐいには、JIS G 5201(溶接構造用遠心力鋳鋼管)がある。
一般構造用炭素鋼鋼管の種類は3種類とし、その記号は以下の通り。
・STK290
・STK400
・STK490
・STK500
・STK540
上記の一般構造用炭素鋼鋼管は、継目無鋼管、電気抵抗溶接鋼管、鍛接鋼管 或いは 自動アーク溶接鋼管のいずれかの方法によって製造される。
種類及び記号、製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3445 機械構造用炭素鋼鋼管
- Carbon steel tubes for machine structural purposes
概要:
機械、自動車、自転車、家具、器具、その他の機械部品に使用する炭素鋼鋼管について。
ここで規定する一般構造用炭素鋼鋼管は、継目無鋼管及び外径318.5mm未満の溶接鋼管に限るものであり、外径318.5mm以上の溶接鋼管の基礎ぐい及び地すべり抑止ぐいには適用しない。
構造物の基礎ぐい及び地すべり抑止ぐいには、JIS A 5525(鋼管ぐい)、遠心力鋳鋼管の地すべり抑止ぐいには、JIS G 5201(溶接構造用遠心力鋳鋼管)がある。
一般構造用炭素鋼鋼管の記号の種類は以下の種類が規定されている。
・STKM11A(1種A)
・STKM12A(12種A)
・STKM12B(12種B)
・STKM12C(12種C)
・STKM13A(13種A)
・STKM13B(13種B)
・STKM13C(13種C)
・STKM14A(14種A)
・STKM14B(14種B)
・STKM14C(14種C)
・STKM15A(15種A)
・STKM15C(15種C)
・STKM16A(16種A)
・STKM16C(16種C)
・STKM17A(17種A)
・STKM17C(17種C)
・STKM18A(18種A)
・STKM18B(18種B)
・STKM18C(18種C)
・STKM19A(19種A)
・STKM19C(19種C)
・STKM20A(20種A)
上記の一般構造用炭素鋼鋼管は、継目無鋼管、電気抵抗溶接鋼管、鍛接鋼管 或いは 自動アーク溶接鋼管のいずれかの方法によって製造されるが、必要な場合には鋼管に適切な熱処理を施してもよい。
種類及び記号、製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3452 配管用炭素鋼管
- 英文(英語名):
Carbon steel pipes for ordinary piping
概要:
使用圧力の比較的低い蒸気、水(上水道用を除く)、油、ガス、空気などの配管に用いる炭素鋼管について。
流体の輸送用、SGPを原管としたプラスティックライニング鋼管(上水道用)、耐溝状腐食電縫鋼管(電気抵抗溶接鋼管の溶接部に発生する恐れのある溝状腐食の防止対策を施したもの)などとしても利用される。
一般に、SGPと呼ばれ広く利用されている炭素鋼鋼管。
SGP配管用炭素鋼管は、亜鉛めっきの有無によって、黒管(亜鉛めっきを行わないパイプ)と白管(亜鉛めっきを行ったパイプ。SGP-ZNと表記して黒管と区別する場合がある。)に区分される。
配管用炭素鋼管(SGP)の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、亜鉛メッキの均一性、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管
- 英文(英語名):
Carbon steel pipes for pressure service
概要:
350℃程度以下で使用する圧力配管に用いる炭素鋼鋼管について。
ただし、高圧配管用炭素鋼鋼管は、JIS G 3455 による。適用する外径の標準寸法は、10.5mm〜660.4mmの範囲とする。
圧力配管用炭素鋼鋼管の種類は2種類とし、その記号は以下の通り。
・STPG370
・STPG410
SGP配管用炭素鋼管と同様、亜鉛めっきの有無により、それぞれ黒管と白管とがある。
圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、亜鉛メッキの試験特性、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3455 高圧配管用炭素鋼鋼管
- 英文(英語名):
Carbon steel pipes for high pressure service
概要:
350℃以下で使用圧力が高い配管に用いる炭素鋼鋼管について。
高圧配管用炭素鋼鋼管の種類は3種類とし、その記号は以下の通り。
・STS370
・STS410
・STS480
高圧配管用炭素鋼鋼管(STS)の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。
この規格の対応国際規格は以下となる。
・ISO 9329-2:1997 Seamless steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 2: Unalloyed and alloyed steels with specified elevated temperature properties - JIS G 3456 高温配管用炭素鋼管
- 英文(英語名):
Carbon steel pipes for high temperature service
概要:
350℃を超える温度で使用する配管に用いる炭素鋼管について。
高温配管用炭素鋼管管の種類は3種類とし、その記号は以下の通り。
・STPT370
・STPT410
・STPT480
高温配管用炭素鋼管(STPT)の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差水圧試験特性又は非破壊検査特性、、外観、試験、検査、表示など。
この規格の対応国際規格は以下となる。
・ISO 9329-2:1997 Seamless steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 2: Unalloyed and alloyed steels with specified elevated temperature properties
・ISO 9330-2:1997 Welded steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 2: Electric resistance and induction welded unalloyed and alloyed steel tubes with specified elevated temperature properties - JIS G 3457 配管用アーク溶接炭素鋼鋼管
- 英文(英語名):
Arc welded carbon steel pipes
概要:
使用圧力の比較的低い蒸気、水、ガス、空気などの配管に用いるアーク溶接炭素鋼鋼管について。
配管用アーク溶接炭素鋼鋼管の種類は1種類であり、STPY400 の記号で表される。
配管用アーク溶接炭素鋼鋼(STPY400)の種類及び記号、製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3460 低温配管用鋼管
- 英文(英語名):
Steel pipes for low temperature service
概要:
氷点以下の特に低い温度で用いる配管用鋼管について。
低温配管用鋼管の種類は3種類とし、その記号は以下の通り。
・STPL380(炭素鋼鋼管)
・STPL450(ニッケル鋼鋼管)
・STPL690(ニッケル鋼鋼管)
低温配管用鋼管(STPL)の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。
この規格の対応国際規格は以下となる。
・ISO 9329-3:1997 Seamless steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 3: Unalloyed and alloyed steels with specified low temperature properties
・ISO 9330-3:1997 Welded steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 3: Electric resistance and induction welded unalloyed and alloyed steel tubes with specified low temperature properties
なお、JIS G 3459(配管用ステンレス鋼管)及びJIS G 3468(配管用溶接大径ステンレス鋼管)に規定するオーステナイト系ステンレスパイプは、低温配管用鋼管として使用することができる。 - JIS G 3461 ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管
- Carbon steel boiler and heat exchanger tubes
概要:
配管の内部流体と外部との間で熱の授受を行うための熱交換用鋼管(熱伝達用鋼管)の炭素鋼鋼管、例えば、水管、煙管、過熱器、空気予熱器や、化学工業・石油工業・環境プラントなどの熱交換器、コンデンサ管、触媒管などに使用される炭素鋼鋼管について。
ただし、JIS G 3467(加熱炉用鋼管)とJIS G 3464(低温熱交換器用鋼管)には適用されない。
ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管の種類は以下の3種類が規定されている。
・STB340
・STB410
・STB510
ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管は、継目無鋼管又は電気抵抗溶接鋼管のいずれかの方法によって製造され、それぞれの鋼種に適した熱処理(焼ならし、低温焼なまし焼ならし又は完全焼なましなど)が施される。
ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管(STB)の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3464 低温熱交換器用鋼管
- Steel heat exchanger tubes for low temperature service
概要:
氷点以下の特に低い温度で配管の内部流体と外部との間で熱の授受を行うための熱交換用鋼管(熱伝達用鋼管)の炭素鋼鋼管、例えば、熱交換器、コンデンサ管、触媒管などに使用される鋼管について。
低温熱交換器用鋼管の種類には3種類があり、炭素鋼鋼管としては、以下の1種類が規定されている。
・STBL380(炭素鋼鋼管)
その他の2種類は以下の合金鋼鋼管(ニッケル鋼鋼管)がある。
・STBL450(ニッケル鋼鋼管)
・STBL690(ニッケル鋼鋼管)
低温熱交換器用鋼管は、STBL380とSTBL450は継目無鋼管又は電気抵抗溶接鋼管のいずれかの方法によって製造され、焼ならし、焼ならし後焼戻し、又は焼入れ焼戻しの熱処理が施される。
STBL690は継目無鋼管として製造され、2回焼ならし後焼戻し、又は、焼入れ焼戻しの熱処理が施される。
低温熱交換器用鋼管(STBL)の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3466 一般構造用角形鋼管
- Carbon steel square and rectangular tubes for general structure
概要:
土木・建築その他の構造物に用いる角形鋼管について。
角形鋼管の種類は以下の2種類が規定されている。
・STKR400
・STKR490
角形鋼管は、溶接鋼管(電気抵抗溶接、鍛接又は自動アーク溶接のいずれか)又は継目無鋼管を角形に成形して製造するか、又は鋼帯を角形断面若しくは一対の溝形断面に成形し、連続的に電気抵抗溶接又は自動アーク溶接によって製造される。通常は熱処理を行わない。
種類及び記号、製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3467 加熱炉用鋼管
- 英文(英語名):
Steel tubes for fired heater
概要:
主に石油精製工業、石油化学工業などの加熱炉においてプロセス流体加熱のために用いる炭素鋼鋼管、合金鋼鋼管、オーステナイト系ステンレス鋼鋼管及びニッケルクロム鉄合金管について。
加熱炉用鋼管の種類は19種類とし、炭素鋼鋼管としては、以下の1種類が規定されている。
・STF410(炭素鋼鋼管)
その他の18種類は以下の合金鋼鋼管、オーステナイト系ステンレス鋼鋼管及びニッケルクロム鉄合金管がある。
・STFA12(モリブデン鋼鋼管)
・STFA22(クロムモリブデン鋼鋼管)
・STFA23(クロムモリブデン鋼鋼管)
・STFA24(クロムモリブデン鋼鋼管)
・STFA25(クロムモリブデン鋼鋼管)
・STFA26(クロムモリブデン鋼鋼管)
・SUS304TF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS304HTF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS309TF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS310TF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS316TF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS316HTF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS321TF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS321HTF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS347TF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・SUS347HTF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
・NCF800TF(ニッケルクロム鉄合金管)
・NCF800HTF(ニッケルクロム鉄合金管)
加熱炉用鋼管の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、オーステナイト結晶粒度、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3469 ポリエチレン被覆鋼管
- Polyethylene coated steel pipes
概要:
ガス、油、水などの輸送に用いるもので、主に地中埋設用の外面ポリエチレン被覆鋼管について。
外面ポリエチレン被覆鋼管の原管は、呼び径15A〜2000Aの直管の材料として、JIS G 3452(配管用炭素鋼管)、JIS G 3454(圧力配管用炭素鋼鋼管)又は JIS G 3457(配管用アーク溶接炭素鋼鋼管)に規定する炭素鋼鋼管が用いられる。
これ以外の原管が必要な場合は、受渡当事者間の協定による。 - JIS G 3472 自動車構造用電気抵抗溶接炭素鋼鋼管
- Electric resistance welded carbon steel tubes for automobile
概要:
自動車構造用に使用する電気抵抗溶接炭素鋼鋼管について。
適用する外径の標準寸法は、15.9mm〜101.6mm。
自動車構造用電気抵抗溶接炭素鋼鋼管の種類は以下の11種類が規定されている。
・STAM290GA(G種:自動車構造用一般部品に用いる管)
・STAM290GB(G種:同上)
・STAM340G(G種:同上)
・STAM390G(G種:同上)
・STAM440G(G種:同上)
・STAM470G(G種:同上)
・STAM500G(G種:同上)
・STAM440H(H種:自動車構造用のうち特に降伏強度を重視した部品に用いる管)
・STAM470H(H種:同上)
・STAM500H(H種:同上)
・STAM540H(H種:同上)
自動車構造用電気抵抗溶接炭素鋼鋼管は、電気抵抗溶接鋼管として製造され、製造のままとするか、それぞれの鋼種に適した熱処理が施される。
記号及び種類、製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3473 シリンダチューブ用炭素鋼鋼管
- Carbon steel tubes for cylinder barrels
概要:
内面を切削又はホーニング加工を行ってピストン形の油圧シリンダのシリンダチューブを製造するのに用いる炭素鋼鋼管について。
適用する内径の推奨寸法は、32.0mm〜200.0mmの範囲とする。
シリンダチューブ用炭素鋼鋼管の種類は以下の7種類が規定されている。
・STC370(切削用)
・STC440(ホーニング用)
・STC510A(切削用及びホーニング用)
・STC510B(ホーニング用)
・STC540(切削用及びホーニング用)
・STC590A(ホーニング用)
・STC590B(切削用)
シリンダチューブ用炭素鋼鋼管は、継目無鋼管又は電気抵抗溶接鋼管として製造され、製造のままとするか、それぞれの鋼種に適した熱処理(応力除去焼なまし)が施される。
記号及び種類、製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3474 鉄塔用高張力鋼管
- High tensile strength steel tubes for tower structural purposes
概要:
主として送電鉄塔用に用いる高張力鋼管について。
鉄塔用高張力鋼管の種類は以下の2種類が規定されている。
・STKT540
・STKT590
高張力鋼管の炭素当量は、0.40%以下とする。
鉄塔用高張力鋼管は、電気抵抗溶接鋼管又はアーク溶接鋼管(ストレートシーム)として製造され、原則として熱処理は行われない。
記号及び種類、製造方法、化学成分、機械的性質、炭素当量、寸法・質量及び寸法許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 3475 建築構造用炭素鋼管
- Carbon steel tubes for building structure
概要:
主に建築構造物に用いる炭素鋼管管について。
構造物の基礎くいは、JIS A 5525(鋼管ぐい)による。
建築構造用炭素鋼管の種類は以下の3種類が規定されている。
・STKN400W
・STKN400B
・STKN490B
建築構造用炭素鋼管の炭素当量は、STKN400W及びSTKN400Bは0.36%以下、STKN490Bは0.44%以下とする。
建築構造用炭素鋼管は、継目無鋼管、電気抵抗溶接鋼管、鍛接鋼管又はアーク溶接鋼管(ストレートシーム)として製造され、製造のまま(熱間又は温間又は冷間成形)、又はこれに適当な熱処理を行うものとする。
記号及び種類、製造方法、化学成分、炭素当量又は溶接割れ感受性組成、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、外観、試験、検査、表示など。 - JIS G 5201 溶接構造用遠心力鋳鋼管
- Centrifugally cast steel pipes for welded structure
概要:
圧延鋼材、鍛鋼品又は他の鋳鋼品との溶接構造に用いる特に溶接性の優れた、管の厚さ8mm以上150mm以下の溶接構造用遠心力鋳鋼管について。
溶接構造用遠心力鋳鋼管の種類の記号は以下の通り。
・SCW410-CF
・SCW480-CF
・SCW490-CF
・SCW520-CF
・SCW570-CF
種類の記号、化学成分及び炭素当量、機械的性質、形状及び寸法、外観、健全性、製造方法、試験、検査、表示など。 - JIS G 5202 高温高圧用遠心力鋳鋼管
- 英文(英語名):
Centrifugally cast steel pipes for high temperature and high pressure service
概要:
主として高温で使用される遠心力鋳鋼管について。
高温高圧用遠心力鋳鋼管の種類の記号は以下の通り。炭素鋼鋼管としては、SCPH1-CFとSCPH2-CF の2種類がある。
・SCPH1-CF(炭素鋼)
・SCPH2-CF(炭素鋼)
・SCPH11-CF(0.5%モリブデン鋼)
・SCPH21-CF(1%クロム0.5%モリブデン鋼)
・SCPH32-CF(2.5%クロム1%モリブデン鋼)
化学成分、機械的性質、オーステナイト結晶粒度、水圧試験特性又は非破壊検査特性、寸法許容差、外観、製造方法、試験、検査、表示など。 - JIS G 7215 機械構造用プレーンエンド継目無鋼管(ISO仕様)
- Plain end seamless steel tubes for mechanical application (ISO specifications)
概要:
機械工業及び一般工業用の熱間仕上げ継目無鋼管の特性について。
機械構造用プレーンエンド継目無鋼管は、製造したまま又は更に機械加工を行った後に使用することを意図している。
機械構造用プレーンエンド継目無鋼管の種類の記号は以下の通り。
・TS1
・TS4
・TS9
・TS18
・C35
材料、製品の製造、受渡時の製品状態、化学成分、機械的性質及び技術的性質、外観、寸法及び寸法許容差、試験、検査文書、表示など。 - JIS G 7216 プレーンエンドの継目無精密鋼管−技術的受渡条件(ISO仕様)
- Plain end seamless precision steel tubes -- Technical conditions for delivery (ISO specifications)
概要:
R28、R33、R37、R44 及び R50 の記号の種類から製造され、精密寸法許容差をもち、かつ、本規格の寸法表に示す ISO 4200 から選択された寸法のプレーンエンドの継目無鋼管の技術的受渡条件について。
この規格による鋼管は、寸法精度及び必要な場合、薄肉で表面仕上げが重要となる用途に主に使用する。
この種の鋼管を、水配管用設備に使用する場合は、必ず焼なまし又は焼ならし状態で使用しなければならない。 - JIS G 7217 プレーンエンドの溶接精密鋼管−技術的受渡条件(ISO仕様)
- Plain end welded precision steel tubes -- Technical conditions for delivery (ISO specifications)
概要:
R28、R33、R37、R44 及び R50 の記号の種類から製造され、精密寸法許容差をもち、かつ、本規格の寸法表に示す ISO 4200 から選択された寸法のプレーンエンドの溶接鋼管の技術的受渡条件について。
この規格による鋼管は、寸法精度及び必要な場合、薄肉で表面仕上げが重要となる用途に主に使用する。
この種の鋼管を、水配管用設備に使用する場合は、必ず焼なまし又は焼ならし状態で使用しなければならない。 - JIS G 7218 プレーンエンドの溶接及び定径精密鋼管−技術的受渡条件(ISO仕様)
- Plain end as-welded and sized precision steel tubes -- Technical conditions for delivery (ISO specifications)
概要:
溶接後サイジングされ、R28、R33、R37、R44 及び R50 の記号の種類から製造され、精密寸法許容差をもち、かつ、本規格の寸法表に示す ISO 4200 から選択された寸法のプレーンエンドの溶接鋼管の技術的受渡条件について。
この規格による鋼管は、寸法精度及び必要な場合、薄肉で表面仕上げが重要となる用途に主に使用する。
この種の鋼管を、水配管用設備に使用する場合は、必ず焼なまし又は焼ならし状態で使用しなければならない。 - JIS G 7219 圧力用継目無鋼管−技術的受渡条件−第1部:室温用炭素鋼管(ISO仕様)
- Seamless steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 1: Unalloyed steels with specified room temperature properties (ISO specifications)
概要:
室温用炭素鋼から製造され、円形断面をもつ継目無鋼管に関する技術的受渡条件について。
これらの室温用炭素鋼管は、圧力下での流体の輸送を含む圧力下での使用を前提としている。
適用規格及び規定によっては、これらの室温用炭素鋼管の使用を350℃まで許容する。
室温用炭素鋼管の種類の記号は以下の通り。
・TS360
・TS410
・TS430
・TS500
記号及び用語、製造工程、治金特性、寸法、質量及び許容差、外観及び健全性、検査及び試験、表示、保護など。 - JIS G 7220 圧力用継目無鋼管−技術的受渡条件−第2部:高温用炭素鋼管及び合金鋼管(ISO仕様)
- Seamless steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 2: Unalloyed and alloyed steels with specified elevated temperature properties (ISO specifications)
概要:
炭素鋼及び合金鋼から製造され、高温特性が規定された円形断面をもつ継目無鋼管の技術的受渡条件について。
ここでの鋼管類は、高温下、例えば、蒸気発生装置の製造、連結配管などで使用されるもので、高圧下での使用を前提としている。
使用者は、使用に際して、適切な適用規格及び国内の法的関連規定の要求事項を考慮しなければならない。
この規格は、非円形断面をもつ鋼管の製造に対しても、基本規格として使用してもよい。
この場合、この規格に規定されている化学成分及び機械的性質の規定値は適用してもよいが、そのほかの規定値については、受渡当事者間の協定による。
この規格に規定されている炭素鋼管の種類の記号には以下がある。
・PH23
・PH26
・PH29
・PH35 - JIS G 7221 圧力用継目無鋼管−技術的受渡条件−第3部:低温用炭素鋼管及び合金鋼管(ISO仕様)
- Seamless steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 3: Unalloyed and alloyed steels with specified low temperature properties (ISO specifications)
概要:
炭素鋼及び合金鋼から製造され、低温じん性特性が規定された円形断面をもつ継目無鋼管の技術的受渡条件について。
ここでの鋼管類は、低温配管システムの使用を前提としている。
使用者は、使用に際して、適切な適用規格及び国内の法的関連規定の要求事項を考慮しなければならない。
この規格は、非円形断面をもつ鋼管の製造に対しても、基本規格として使用してもよい。
この場合、この規格に規定されている化学成分及び機械的性質の規定値は適用してもよいが、そのほかの規定値については、受渡当事者間の協定による。
この規格に規定されている炭素鋼管の種類の記号には以下がある。
・PL21
・PL23
・PL25
・PL26 - JIS G 7223 圧力用溶接鋼管−技術的受渡条件−第1部:室温用炭素鋼管(ISO仕様)
- Welded steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 1: Unalloyed steel tubes with specified room temperature properties (ISO specifications)
概要:
室温要炭素鋼から製造され、円形断面をもつ溶接管の技術的受渡条件について。
これら鋼管は、圧力下での流体の輸送を含む圧力下での使用を前提としている。
適用規格及び規定によっては、これらの室温用炭素鋼管の使用を350℃まで許容する。
室温用炭素鋼管の種類の記号は以下の通り。
・TW320
・TW360
・TW410
・TW430
・TW500
記号及び名称、製造工程、治金特性、寸法、質量及び許容差、外観及び健全性、検査及び試験、表示、保護など。 - JIS G 7224 圧力用溶接鋼管−技術的受渡条件−第2部:高温用電気抵抗溶接炭素鋼管及び合金鋼管(ISO仕様)
- Welded steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 2: Electric resistance and induction welded unalloyed and alloyed steel tubes with specified elevated temperature properties (ISO specifications)
概要:
炭素鋼及び合金鋼から製造され、高温特性が規定された円形断面をもつ厚さが16mm以下の電気抵抗(Electric resistance and induction)溶接管の技術的受渡条件について。
ここでの鋼管類は、高温下、例えば、蒸気発生装置の製造、連結配管などで使用されるもので、高圧下での使用を前提としている。
使用者は、使用に際して、適切な適用規格及び国内の法的関連規定の要求事項を考慮しなければならない。
この規格に規定されている炭素鋼管の種類の記号には以下がある。
・PH23
・PH26
・PH27
・PH35 - JIS G 7225 圧力用溶接鋼管−技術的受渡条件−第3部:低温用電気抵抗溶接炭素鋼管及び合金鋼管(ISO仕様)
- Welded steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 3: Electric resistance and induction welded unalloyed and alloyed steel tubes with specified low temperature properties (ISO specifications)
概要:
炭素鋼及び合金鋼から製造され、低温じん性特性が規定された円形断面をもつ厚さが16mm以下の電気抵抗(Electric resistance and induction)溶接管の技術的受渡条件について。
ここでの鋼管類は、低温配管システムの使用を前提としている。
使用者は、使用に際して、適切な適用規格及び国内の法的関連規定の要求事項を考慮しなければならない。
この規格に規定されている炭素鋼管の種類の記号には以下がある。
・PL21
・PL23
・PL25
・PL26