ステンレス鋼管|材質・材料によるパイプの分類-ステンレス鋼鋼管の種類・規格

ここでは、ステンレス鋼管(ステンレス鋼鋼管)の種類にはどんなものがあるかを、以下で解説しています。

鋼管・パイプの種類のうち、いわゆる”配管・鋼管・パイプ・チューブ”を、パイプ材質・材料別に分類した場合に、材料・材質が”ステンレス鋼”である鋼管・パイプをまとめています。

ステンレス鋼管(ステンレス鋼鋼管)の種類一覧”に類するもの


■ ステンレス鋼とは?

まず、ステンレス鋼とはどんなものでしょうか。

ステンレス鋼とは、”すてんれすこう”と読み(英文では stainless steel)、主に鋼の耐食性を改善向上させるため、合金元素としてクロム(Cr)又はクロムとニッケル(Ni)を添加することによりクロム・鉄合金の不働態皮膜を生成させて耐食性を大幅に向上させた合金鋼(alloy steel)のことです。

ステンレス鋼は、一般的には単に”ステンレス”と呼ばれることが多いですが、さらに略して”ステン”とか、ステンレス鋼の記号の頭の”SUS(サス)”などと呼ばれたりもします。

一般には、クロム(Cr)含有量が約10.5%以上の鋼をステンレス鋼と言います。

ステンレス鋼は、英文では『stainless steel』であり、直訳すると『さびて汚れない(stainless)鋼(steel)』ということで文字通り、さび(錆び)や汚れに非常に強い鋼です。

ステンレス鋼の耐食性(ある環境における腐食作用に耐える性質)は、炭素鋼(carbon steel)などの鋼よりも格段に優れており、また、汚れにくいため見た目も美しく、さらに強度も高いという優れた特性を兼ね備えているため、炭素鋼などより鋼材価格は格段に高価になりますが、100%リサイクル可能な材料でもあり、近年は一般的な耐食材料として非常に広い需要のある材料になっています。

ステンレス鋼で製造・流通されている鋼材の形状には、一般に、鋼板(厚板・薄板)、鋼管(パイプ)、角形鋼管(角パイプ)、H形鋼(Hチャンネル)、溝形鋼(Cチャンネル)、山形鋼(Lアングル)、平鋼(フラットバー)、角鋼、丸鋼(丸棒)、線材(コイル材)などがあります。


■ ステンレス鋼がさびにくく汚れにくい理由

鉄板や炭素鋼などの鋼材が一定期間屋外にさらされていると、特に浜辺など塩害雰囲気の強いところなどでは直ぐにさびてしまいますが、ステンレス鋼の場合は、このさびや汚れに対して非常に強いということが特徴の一つにあります。

ステンレス鋼が錆びにくく・汚れにくい特性をもつ理由は、含有する合金元素のクロム (Cr) が空気中で酸素と結合して、表面に不動態皮膜を形成しているためです。

そもそも、さびとは何かというと、金属が酸素などと化合してできた化合物である酸化被膜のことであり、ステンレス鋼がさびにくいというのは、正確には錆びにくいのではなくて、表面にできる酸化被膜、つまり一種のさびである透明で薄い膜が安定して変化しにくい状態になっているということです。


■ ステンレス鋼の大分類(五つの種類)

ステンレス鋼は、そのその金属組織によって、一般には以下の5つの系統に分類されます。

  • マルテンサイト系ステンレス鋼(martensitic stainless steels)
  • フェライト系ステンレス鋼(ferritic stainless steels)
  • オーステナイト系ステンレス鋼(austenitic stainless steels)
  • オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(austenitic-ferritic stainless steels)
    (二相ステンレス鋼)
  • 析出硬化系ステンレス鋼(precipitation hardening stainless steels)
マルテンサイト系ステンレス鋼
SUS403やSUS410に代表される、13クロム系のステンレス鋼で、棒鋼、平鋼の形状で使用されることが多いステンレスです。
マルテンサイト系は、焼入れにより硬化するため、成分と熱処理条件を選ぶことによって広範囲の性質が得られ、タービンブレードやシャフト類など、高強度や耐食性・耐熱性が必要な機械構造用部品などに使用されます。
また、炭素含有量の多いものは耐磨耗性が良いため、SUS420J1などは刃物や医療器具などにも使用されます。
フェライト系ステンレス鋼
SUS430に代表される、18クロム系のステンレス鋼で、一般耐食用として主に薄板および線の形で広く使用されてるステンレスです。
主な用途には、一般家庭用器具、ガス・電気器具部品、建築内装材料、厨房器具、自動車マフラー・外装などの自動車部品などが挙げられます。
フェライト系ステンレス鋼は、熱処理により硬化することがほとんどなく、焼なまし状態で使用され、マルテンサイト系より成形加工性・耐食性に優れ、溶接性も比較的良好である特性があります。
耐食性が一段と優れている SUS444、SUS447J1、SUSXM27などの極低炭素・窒素の高純度フェライトステンレスは、塩化物応力腐食割れを起こしにくく、化学プラントなどにも利用されます。
オーステナイト系ステンレス鋼
SUS304に代表される、18クロム-8ニッケル系のステンレス鋼で、多くの特性で優れた性質のため、製品形状としては薄板が最も多いですが、厚板、棒、鋼管、線、鋳物など全般にわたり、広範囲な用途で用いられているステンレス鋼です。
オーステナイト系ステンレス鋼は、一般に延性及び靭性に富んでいるため、曲げ加工や深絞りなどの冷間加工性が良好である上に溶接性にも優れています。
また、耐食性も優れ、低温、高温における性質にも優れています。
オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(二相ステンレス鋼)
二相ステンレス鋼とも言われ、オーステナイトとフェライトの二相組織を持つ二相系のステンレスです。
物理的性質としては、フェライト系とオーステナイト系のほぼ中間となり、耐海水性や耐応力腐食割れ性に優れているうえ、強度も高いという特徴があり、主に厚板や鋼管、鋳物などとして製造されます。
公害防止機器や海水用復水器、各種化学プラント用装置などのステンレス材として用いられます。
析出硬化系ステンレス鋼
鋼種としてはSUS630やSUS631などがあり、SUS630は、Cu(銅)を添加することにより析出硬化を持たせたもので、SUS631は、Al (アルミニウム)の添加して析出硬化により弾性限を高めたステンレス鋼になります。
シャフトやタービン、スプリングワッシャー、計器部品ほか、腐食環境でバネ特性が必要とされるような部品などに利用されます。

■ 代表的なステンレス鋼の鋼種記号の種類

ステンレス鋼として最も代表的なものは、オーステナイト系のクロム18%、ニッケル8%を含む 18−8ステンレス鋼(18Cr-8Niステンレス鋼)ですが、上述のように、ひとくちにステンレス鋼といってもさまざまな系統・種類のステンレスがあります。
ステンレス鋼種としては、現在では100種類以上あると言われています。

JIS規格に規定のあるステンレス鋼の鋼種の記号を以下に示します。
なお、括弧内の記号は、その鋼種の概略組成を表しています。

オーステナイト系ステンレス鋼

  • SUS201 (17Cr-4.5Ni-6Mn-N)
  • SUS202 (18Cr-5Ni-8Mn-N)
  • SUS301 (17Cr-7Ni)
  • SUS301L (17Cr-7Ni-低C-N)
  • SUS301J1 (17Cr-7.5Ni-0.1C)
  • SUS302 (18Cr-8Ni-0.1C)
  • SUS303 (18Cr-8Ni-高S)
  • SUS303Se (18Cr-8Ni-Se)
  • SUS304 (18Cr-8Ni)
  • SUS304L (18Cr-9Ni-低C)
  • SUS304N1 (18Cr-8Ni-N)
  • SUS304N2 (18Cr-8Ni-N-Nb)
  • SUS304LN (18Cr-8Ni-N-低C)
  • SUS304J1 (17Cr-7Ni-2Cu)
  • SUS304J2 (17Cr-7Ni-4Mn-2Cu)
  • SUS304J3 (18Cr-8Ni-2Cu)
  • SUS305 (18Cr-12Ni-0.1C)
  • SUS305J1 (18Cr-13Ni-0.1C)
  • SUS309S (22Cr-12Ni)
  • SUS310S (25Cr-20Ni)
  • SUS316 (18Cr-12Ni-2.5Mo)
  • SUS316L (18Cr-12Ni-2.5Mo-低C)
  • SUS316N (18Cr-12Ni-2.5Mo-N)
  • SUS316LN (18Cr-12Ni-2.5Mo-N-低C)
  • SUS316Ti (18Cr-12Ni-2.5Mo-Ti)
  • SUS316J1 (18Cr-12Ni-2Mo-2Cu)
  • SUS316J1L (18Cr-12Ni-2Mo-2Cu-低C)
  • SUS317 (18Cr-12Ni-3.5Mo)
  • SUS317L (18Cr-12Ni-3.5Mo-低C)
  • SUS317LN (18Cr-13Ni-3.5Mo-N-低C)
  • SUS317J1 (18Cr-16Ni-5Mo)
  • SUS317J2 (25Cr-14Ni-1Mo-0.3N)
  • SUS317J3L (21Cr-12Ni-2.5Mo-0.2N-低C)
  • SUS317J4L (22Cr-25Ni-6Mo-0.2N-低C)
  • SUS317J5L (21Cr-24.5Ni-4.5Mo-1.5Cu-極低C)
  • SUS321 (18Cr-9Ni-Ti)
  • SUS347 (18Cr-9Ni-Nb)
  • SUS384 (16Cr-18Ni)
  • SUSXM7 (18Cr-9Ni-3.5Cu)
  • SUSXM15J1 (18Cr-13Ni-4Si)

オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(二相ステンレス鋼)

  • SUS329J1 (25Cr-4.5Ni-2Mo)
  • SUS329J3L (22Cr-5Ni-3Mo-N-低C)
  • SUS329J4L (25Cr-6Ni-3Mo-N-低C)

フェライト系ステンレス鋼

  • SUS405 (13Cr-Al)
  • SUS410L (13Cr-低C)
  • SUS429 (16Cr)
  • SUS430 (18Cr)
  • SUS430F (18Cr-高S)
  • SUS430LX (18Cr-TiまたはNb-低C)
  • SUS430J1L (18Cr-0.5Cu-Nb-極低(C,N))
  • SUS434 (18Cr-1Mo)
  • SUS436L (18Cr-1Mo-Ti,Nb,Zr-極低(C,N))
  • SUS436J1L (19Cr-0.5Mo-Nb-極低(C,N))
  • SUS444 (19Cr-2Mo-Ti,Nb,Zr-極低(C,N))
  • SUS447J1 (30Cr-2Mo-極低(C,N))
  • SUSXM27 (26Cr-1Mo-極低(C,N))

マルテンサイト系ステンレス鋼

  • SUS403 (13Cr-低Si)
  • SUS410 (13Cr)
  • SUS410S (13Cr-0.08C)
  • SUS410F2 (13Cr-0.1C-Pb)
  • SUS410J1 (13Cr-Mo)
  • SUS416 (13Cr-0.1C-高S)
  • SUS420J1 (13Cr-0.2C)
  • SUS420J2 (13Cr-0.3C)
  • SUS420F (13Cr-0.3C-高S)
  • SUS420F2 (13Cr-0.2C-Pb)
  • SUS429J1 (16Cr-0.3C)
  • SUS431 (16Cr-2Ni)
  • SUS440A (18Cr-0.7C)
  • SUS440B (18Cr-0.8C)
  • SUS440C (18Cr-1C)
  • SUS440F (18Cr-1C-高S)

析出硬化系ステンレス鋼

  • SUS630 (17Cr-4Ni-4Cu-Nb)
  • SUS631 (17Cr-7Ni-1Al)
  • SUS631J1 (17Cr-8Ni-1Al)

上記の記号種類は、主に以下のJIS規格を参照しています。
・JIS G 4303 ステンレス鋼棒
・JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
・JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
・JIS G 4308 ステンレス鋼線材
・JIS G 4309 ステンレス鋼線

上記のJIS規格品以外にも各メーカーの独自ステンレス鋼種が数多く存在します。

なお、”SUS304L”など、鋼種記号名の後ろに『L』を付けた鋼種ありますが、これは炭素量(C)を極めて低く制御した鋼種であることを意味しています。
一般に、炭素量(C)を減らすと耐粒界腐食性が向上して加熱部にも使用できるような性質になり、逆に増やすと機械的性質が向上しますが、耐食性がやや落ちて脆くなり、加熱部には適さない性質のステンレス鋼になります。


■ SUS304の意味|ステンレス鋼の記号体系

もっとも代表的なステンレス鋼といえば、『SUS304』ですが、この記号にも意味があります。

『SUS304』の前半のアルファベット記号『SUS』は、ステンレス鋼材(鋼板・鋼帯・棒鋼・線材・鋼管)の規格で、『Steel Use Stainless』の頭文字を表しています。

『SUS304』の後半の数字記号『304』は、ステンレス鋼種の分類を表しています。

304』の最初の数字『3』は、ステンレス鋼種の大分類を表していて、以下のような決まりがあります。
(『SUS304』の下2ケタの数字は特別なルールはありません。)

  • 200番台(200系):クロム・ニッケル・マンガン系
  • 300番台(300系):クロム・ニッケル系
  • 400番台(400系):クロム系
  • 600番台(600系):高温度強度合金系

この決まりを覚えておけば、例えば、SUS304といえばクロム・ニッケル系ステンレス鋼、SUS430といえばクロム系ステンレス鋼、というようにどんな系統のステンレス鋼であるかが分かります。


■ ステンレス鋼は磁石にくっつかない?|ステンレスの磁性

ステンレス鋼には、磁石に付くもの(強磁性体)と磁石に付かないもの(非磁性体)とがあります。
以下のようにステンレス鋼の系統により異なります。

300系(クロム・ニッケル系)ステンレス鋼
■オーステナイト系 ⇒ 磁石に付かない(非磁性)(※1.)
■2相系(オーステナイト・フェライト系) ⇒ 磁石に付く(磁性)
■析出硬化系 ⇒ 磁石に付く(磁性)
400系(クロム系)ステンレス鋼
■マルテンサイト系 ⇒ 磁石に付く(磁性)
■フェライト系 ⇒ 磁石に付く(磁性)
(※1.)
オーステナイト系ステンレスは基本的には磁石に付きませんが、厳しい曲げなどの加工を繰り返すことで組織がマルテンサイト化し、磁性を帯びることがあります。

一般に、ステンレスといえば、磁石にくっつかない材料といったイメージがあるかも知れませんが、それは、日常生活で身の回りにあるステンレスが、SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレスである場合が多いためです。


■ 主なステンレスメーカー

ステンレス鋼を製造している主なステンレス鋼メーカーには、以下などがあります。


■ ステンレス鋼材の表面仕上げ

ステンレス鋼板などのステンレス鋼材の表面仕上げの種類には以下のような仕上げがあります。
中には市中品(市販品)としてはほとんど流通していない仕上げの種類もあります。
最も一般的に流通している仕上げは、2B仕上げです。
(市販品の大部分を占めるのがこの2B仕上げ。)

No.1仕上げ
つや消しの銀白色の表面で光沢がなく、多少ざらついた仕上がり面。熱間圧延の後、熱処理、酸洗(表面を酸で洗って汚れなどを除去したもの)、これに準ずる処理を施したもの。『酸洗材』などとも呼ばれる。
主な用途:構造部材など表面光沢を必要としない用途に使用する。
2D仕上げ
冷間圧延の後、熱処理(焼鈍)、酸洗を施したもの。銀白色の鈍い灰色の光沢。ダル仕上げとも呼ばれる。一般にはほとんど流通しない。
主な用途:一般用材、建材など。
2B仕上げ
2D仕上げの後に、適度な光沢を与える程度の軽い冷間圧延(調質圧延、スキンパスともいう)を施した仕上げ。2D仕上げより滑らかで、やや光沢がある。ステンレス鋼では最も一般的な仕上げ。
主な用途:一般用材、建材など。(市中品の大半を占める。)
BA仕上げ
冷間圧延の後、光輝熱処理を行い、さらに軽い冷間圧延(調質圧延、スキンパス)を施した仕上げ。鏡面に近い光沢を持った仕上げ。2B仕上げに次いで一般的に流通している。
主な用途:家電製品、自動車用部品、厨房用品、意匠性が求められる部材など。
No.3仕上げ
光沢のある荒い目の仕上げで、2D又は2B仕上げ材を100番〜120番の砥粒の研磨ベルトで研磨仕上げしたもの。
主な用途:建材、厨房用品など。
No.4仕上げ
光沢のある細い目の仕上げで、2D又は2B仕上げ材を150番〜180番の砥粒の研磨ベルトで研磨仕上げしたもの。
主な用途:建材、厨房用品、車両、食品設備、医療器具など。
#400仕上げ
BA仕上げに近い光沢をもった仕上げ。2B仕上げ材を400番バフ研磨によって研磨仕上げしたもの。BA仕上げ材に似た仕上げ材として一般に流通している。
主な用途:建材、厨房用品など。
ヘアライン仕上げ(HL仕上げ)
髪の毛上の細く長い連続した研磨目をもった仕上げ。2B或いはBA仕上げ材に適当な粒度の研磨ベルトで細長い模様の研磨目をつけたもの。建材としては最も一般的な仕上げ。
主な用途:建材一般
No.8仕上げ
研磨目がなく、最も反射率の高い光沢をもった鏡面仕上げ。段階を踏んで徐々に細かい粒度の研磨材によって研磨した後、鏡面用バフ研磨によって研磨したもの。
主な用途:装飾用、建材、反射鏡など。

■ ステンレス鋼管|ステンレス鋼管の種類一覧及び規格の概要

鋼管・パイプの種類うち、鋼管の材料・材質がステンレス鋼管で製造される鋼管・パイプのJIS規格を、英文(英語名)のタイトルとその規格の概要とともに以下にリストアップします。

JIS G 3446 機械構造用ステンレス鋼鋼管
Stainless steel pipes for machine and structural purposes
概要:
機械、自動車、自転車、家具、器具、その他の機械部品及び構造物に使用するステンレス鋼管について。
機械構造用ステンレス鋼管の種類には、以下の12種類があり、その鋼種記号は以下の通り。
・SUS304TKA(オーステナイト系)
・SUS316TKA(オーステナイト系)
・SUS321TKA(オーステナイト系)
・SUS347TKA(オーステナイト系)
・SUS304TKC(オーステナイト系)
・SUS316TKC(オーステナイト系)
・SUS430TKA(フェライト系)
・SUS430TKC(フェライト系)
・SUS410TKA(マルテンサイト系)
・SUS420J1TKA(マルテンサイト系)
・SUS420J2TKA(マルテンサイト系)
・SUS410TKC(マルテンサイト系)
種類及び記号、製造方法、化学成分、機械的性質、寸法及び寸法許容差、外観、試験、検査、表示など。
機械構造用ステンレス鋼管の製管方法は、継目無く製造する継目無鋼管(シームレスパイプ)とするか自動アーク溶接、レーザー溶接、又は電気抵抗溶接による電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管) として製造される。
ただし、SUS304TKC、SUS316TKC、SUS430TKC 及び SUS410TKC の製管方法は、電気抵抗溶接、自動アーク溶接又はレーザー溶接とする。
また、仕上げ方法は、熱間仕上げ、冷間仕上げ、熱間仕上げ及び冷間仕上げ以外、又は溶接部加工仕上げのいずれかとする。
機械構造用ステンレス鋼管の熱処理方法は以下の通り。
■オーステナイト系ステンレス鋼管
・SUS304TKA : 固溶化熱処理、1010℃以上、急冷
・SUS316TKA : 固溶化熱処理、1010℃以上、急冷
・SUS321TKA : 固溶化熱処理、920℃以上、急冷
・SUS347TKA : 固溶化熱処理、980℃以上、急冷
・SUS304TKC : 製造のまま
・SUS316TKC : 製造のまま
■フェライト系ステンレス鋼管
・SUS430TKA : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS430TKC : 製造のまま
■マルテンサイト系ステンレス鋼管
・SUS420J1TKA : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS420J2TKA : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS410TKC : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS410TKC : 製造のまま
上記以外の熱処理については受渡当事者間の協定によってもよく、また、製造のままとあるものについては、製造業者は必要な場合、焼なまし又は固溶化熱処理を行っても良い。
機械構造用ステンレス鋼管の機械的性質(引張強さ、耐力)は以下の通り。単位は、N/mm2
・SUS304TKA : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316TKA : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS321TKA : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS347TKA : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS304TKC : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316TKC : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS430TKA : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
・SUS430TKC : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
・SUS410TKA : 引張強さ:410以上/耐力:205以上
・SUS420J1TKA : 引張強さ:470以上/耐力:215以上
・SUS420J2TKA : 引張強さ:540以上/耐力:225以上
・SUS410TKC : 引張強さ:410以上/耐力:205以上
JIS G 3447 ステンレス鋼サニタリー管
Stainless steel sanitary pipes
概要:
酪農、食品工業などに用いるステンレス鋼サニタリー管について。
ステンレス鋼サニタリー管の種類には、以下の4種類があり、その記号は以下の通り。
・SUS304TBS
・SUS304LTBS
・SUS316TBS
・SUS316LTBS
ステンレス鋼サニタリー管の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法及び寸法許容差、水圧試験特性若しくは空気圧試験特性又は非破壊検査特性、耐圧性能、浸出性能、表面仕上げ、外観、試験、検査、表示など。
ステンレス鋼サニタリー管の製造方法は、継目無く製造する継目無鋼管(シームレスパイプ)とするか自動アーク溶接、レーザー溶接、又は電気抵抗溶接による電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)として製造される。
また、熱処理は固溶化熱処理(1010℃以上、急冷)を行う。
ステンレス鋼サニタリー管の機械的性質(引張強さ、伸び)は以下の通り。単位は、引張強さはN/mm2、伸びは%。
・SUS304TBS : 引張強さ:540以上/伸び:35以上
・SUS304LTBS : 引張強さ:480以上/伸び:35以上
・SUS316TBS : 引張強さ:540以上/伸び:35以上
・SUS316LTBS : 引張強さ:480以上/伸び:35以上
JIS G 3448 一般配管用ステンレス鋼管
Light gauge stainless steel tubes for ordinary piping
概要:
給水、給湯、排水、冷温水の配管及びその他の配管に用いるステンレス鋼管(ステンレスパイプ)について。
一般配管用ステンレス鋼管の種類には、以下の4種類があり、その記号及び用途は以下の通り。
・SUS304TPD:
通常の給水、給湯、排水、冷温水などの配管用。
・SUS315J1TPD、SUS315J2TPD:
水質、環境などからSUS304よりも耐食性が要求される用途及びSUS316よりも耐応力腐食割れ性が要求される温水配管用途。
・SUS316TPD:
水質、環境などからSUS304よりも耐食性が要求される用途。
一般配管用ステンレス鋼管の材料及び製造方法、機械的性質、寸法・寸法許容差及び質量、耐漏れ性、耐圧性能、浸出性能、外観、試験方法、検査、表示など。
一般配管用ステンレス鋼管の製造方法は、自動アーク溶接、レーザー溶接、又は電気抵抗溶接による電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)として製造される。
通常、熱処理は行わない。
熱処理を行う場合は、固溶化熱処理とし、酸洗又はこれに準じる処理を行う。
ただし、固溶化熱処理以外の熱処理については、受渡当事者間の協定による。
一般配管用ステンレス鋼管の材料は、JIS G 4304(熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)又は JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)に規定する SUS304、SUS315J1、SUS315J2 及び SUS316 を使用する。
一般配管用ステンレス鋼管の機械的性質(引張強さ、伸び)は以下の通り。単位は、引張強さはN/mm2、伸びは%。
(SUS304TPD、SUS315J1TPD、SUS315J2TPD 及び SUS316TPD のいずれにおいても以下の通り。)
引張強さ:540以上
伸び:35以上(11・12号試験片:縦方向)/25以上(5号試験片:横方向)
JIS G 3459 配管用ステンレス鋼管
Stainless steel pipes
概要:
耐食用、低温用、高温用などの配管に用いるステンレス鋼管(ステンレスパイプ)について。
配管用ステンレス鋼管(ステンレスパイプ)の種類には、以下の31種類があり、その記号は以下の通り。
【オーステナイト系】
SUS304TP、SUS304HTP、SUS304LTP、SUS309TP、SUS309STP、SUS310TP、SUS310STP、SUS315J1TP、SUS315J2TP、SUS316TP、SUS316HTP、SUS316LTP、SUS316TiTP、SUS317TP、SUS317LTP、SUS836LTP、SUS890LTP、SUS321TP、SUS321HTP、SUS347TP、SUS347HTP
【オーステナイト系・フェライト系】
SUS329J1TP、SUS329J3TP、SUS329J4TP
【フェライト系】
SUS405TP、SUS409LTP、SUS430TP、SUS430LXTP、SUS430J1LTP、SUS436LTP、SUS444TP
SUS304TPなどの配管用ステンレス鋼管の等製造方法、化学成分、機械的性質、寸法及び許容差・質量、水圧、耐圧、浸出、外観、試験、検査、表示など。
配管用ステンレス鋼管の製造方法は、継目無く製造する継目無鋼管(シームレスパイプ)とするか自動アーク溶接、レーザー溶接、又は電気抵抗溶接による電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)として製造される。
また、仕上げ方法は、熱間仕上げ、冷間仕上げ、熱間仕上げ及び冷間仕上げ以外、又は溶接部加工仕上げのいずれかとする。
配管用ステンレス鋼管の熱処理は、以下のようにステンレス鋼管の鋼種に応じ、固溶化熱処理又は焼なましとし、酸洗又はこれに準じる処理を行う。
■オーステナイト系ステンレス鋼管
・SUS304TP : 1010℃以上にて固溶化熱処理、急冷
・SUS304HTP : 1040℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS304LTP : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS309TP : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS309STP : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS310TP : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS310STP : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS315J1TP : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS315J2TP : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316TP : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316HTP : 1040℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316LTP : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316TiTP : 920℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS317TP : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS317LTP : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS836LTP : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS890LTP : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS321TP : 920℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS321HTP : 冷間仕上、1095℃以上で固溶化熱処理、急冷/熱間仕上、1050℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS347TP : 980℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS347HTP : 冷間仕上、1095℃以上で固溶化熱処理、急冷/熱間仕上、1050℃以上で固溶化熱処理、急冷
■オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼管
・SUS329J1TP : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS329J3LTP : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS329J4LTP : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
■フェライト系ステンレス鋼管
・SUS405TP : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS409LTP : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS430TP : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS430LXTP : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS430J1LTP : 焼なまし、720℃以上、空冷又は徐冷
・SUS436LTP : 焼なまし、720℃以上、空冷又は徐冷
・SUS444TP : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
上記以外の熱処理については、受渡当事者間の協定による。
また、SUS321TP、SUS316TiTP、SUS347TP については、安定化熱処理を指定してもよく、この場合の熱処理温度は、850〜930℃。
配管用ステンレス鋼管の機械的性質(引張強さ、耐力)は以下の通り。単位は、N/mm2
・SUS304TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS304HTP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS304LTP : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS309TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS309STP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS310TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS310STP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS315J1TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS315J2TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316HTP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316LTP : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS316TiTP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS317TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS317LTP : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS836LTP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS890LTP : 引張強さ:490以上/耐力:215以上
・SUS321TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS321HTP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS347TP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS347HTP : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS329J1TP : 引張強さ:590以上/耐力:390以上
・SUS329J3LTP : 引張強さ:620以上/耐力:450以上
・SUS329J4LTP : 引張強さ:620以上/耐力:450以上
・SUS405TP : 引張強さ:410以上/耐力:205以上
・SUS409LTP : 引張強さ:360以上/耐力:175以上
・SUS430TP : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
・SUS430LXTP : 引張強さ:360以上/耐力:175以上
・SUS430J1LTP : 引張強さ:390以上/耐力:205以上
・SUS436LTP : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
・SUS444TP : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
JIS G 3463 ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼鋼管
Stainless steel boiler and heat exchanger tubes
概要:
配管の内外で熱の授受をするために使用するステンレス鋼管、例えば、ボイラの過熱器、化学工業・石油工業の熱交換器、コンデンサ管、触媒管などに使用するステンレス鋼管について。
ただし、加熱炉用鋼管には使用しない。
ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法及び寸法許容差、オーステナイト結晶粒度、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。
ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管の種類には、以下の36種類があり、その鋼種記号と鋼種ごとの熱処理方法は以下の通り。
■オーステナイト系ステンレス鋼管
・SUS304TB : 1010℃以上にて固溶化熱処理、急冷
・SUS304HTB : 1040℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS304LTB : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS309TB : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS309STB : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS310TB : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS310STB : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS312LTB : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316TB : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316HTB : 1040℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316LTB : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316TiTB : 920℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS317TB : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS317LTB : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS321TB : 920℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS321HTB : 冷間仕上、1095℃以上で固溶化熱処理、急冷/熱間仕上、1050℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS347TB : 980℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS347HTB : 冷間仕上、1095℃以上で固溶化熱処理、急冷/熱間仕上、1050℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS836LTB : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS890LTB : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUSXM15J1TB : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
■オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼管
・SUS329J1TB : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS329J3LTB : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS329J4LTB : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
■フェライト系ステンレス鋼管
・SUS405TB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS409TB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS409LTB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS410TB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS410TiTB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS430TB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS430LXTB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUS430J1LTB : 焼なまし、720℃以上、空冷又は徐冷
・SUS436LTB : 焼なまし、720℃以上、空冷又は徐冷
・SUS444TB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUSXM8TB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
・SUSXM27TB : 焼なまし、700℃以上、空冷又は徐冷
なお、SUS321TB、SUS316TiTB、SUS347TB については、安定化熱処理を指定してもよく、この場合の熱処理温度は、850〜930℃とする。
また、上記以外の熱処理を行う場合は、受渡当事者間の協定による。
ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管の製造方法は、継目無く製造する継目無鋼管(シームレスパイプ)とするか自動アーク溶接、レーザー溶接、又は電気抵抗溶接による電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)として製造される。
また、仕上げ方法は、熱間仕上げ、冷間仕上げ、電気抵抗溶接のまま、又は溶接部加工仕上げのいずれかとする。
ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管の機械的性質(引張強さ、耐力)は以下の通り。単位は、N/mm2
・SUS304TB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS304HTB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS304LTB : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS309TB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS309STB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS310TB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS310STB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS312LTB : 引張強さ:650以上/耐力:300以上
・SUS316TB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316HTB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316LTB : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS316TiTB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS317TB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS317LTB : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS321TB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS321HTB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS347TB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS347HTB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS836LTB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS890LTB : 引張強さ:490以上/耐力:215以上
・SUSXM15J1TB : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS329J1TB : 引張強さ:590以上/耐力:390以上
・SUS329J3LTB : 引張強さ:620以上/耐力:450以上
・SUS329J4LTB : 引張強さ:620以上/耐力:450以上
・SUS405TB : 引張強さ:410以上/耐力:205以上
・SUS409TB : 引張強さ:410以上/耐力:205以上
・SUS409LTB : 引張強さ:360以上/耐力:175以上
・SUS410TB : 引張強さ:410以上/耐力:205以上
・SUS410TiTB : 引張強さ:410以上/耐力:205以上
・SUS430TB : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
・SUS430LXTB : 引張強さ:360以上/耐力:175以上
・SUS430J1LTB : 引張強さ:390以上/耐力:205以上
・SUS436LTB : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
・SUS444TB : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
・SUSXM8TB : 引張強さ:410以上/耐力:205以上
・SUSXM27TB : 引張強さ:410以上/耐力:245以上
なお、熱交換器用に限り、必要がある場合、注文者は引張強さの上限を指定してもよい。
この場合の引張強さの上限値は、上記の値に 200N/mm2 を加えた値とする。
JIS G 3467 加熱炉用鋼管
Steel tubes for fired heater
概要:
主に石油精製工業、石油化学工業などの加熱炉においてプロセス流体加熱のために用いる炭素鋼鋼管、合金鋼鋼管、オーステナイト系ステンレス鋼鋼管及びニッケルクロム鉄合金管について。
加熱炉用鋼管(オーステナイト系ステンレス鋼管など)の製造方法、化学成分、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、オーステナイト結晶粒度、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。
低温配管用鋼管の種類には19種類があり、ステンレス鋼管としては、オーステナイト系ステンレス鋼管として以下の記号で表される10種類がある。
・SUS304TF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS304HTF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS309TF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS310TF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS316TF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS316HTF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS321TF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS321HTF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS347TF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
・SUS347HTF(オーステナイト系ステンレス鋼管)
そのほかの低温配管用鋼管としては、炭素鋼鋼管、モリブデン鋼鋼管及びクロムモリブデン鋼鋼管及びニッケルクロム鉄合金管として、以下の種類の記号で表される9種類の鋼管がある。
・STF410(炭素鋼鋼管)
・STFA12(モリブデン鋼鋼管)
・STFA22(クロムモリブデン鋼鋼管)
・STFA23(クロムモリブデン鋼鋼管)
・STFA24(クロムモリブデン鋼鋼管)
・STFA25(クロムモリブデン鋼鋼管)
・STFA26(クロムモリブデン鋼鋼管)
・NCF800TF(ニッケルクロム鉄合金管)
・NCF800HTF(ニッケルクロム鉄合金管) 加熱炉用鋼管(オーステナイト系ステンレス鋼管)の製造方法は、熱間仕上継目無鋼管(シームレスパイプ)又は冷間仕上継目無鋼管(シームレスパイプ)のいずれかとして製造する。
また、オーステナイト系ステンレス鋼管の熱処理方法は、鋼種により、それぞれ以下の通りとする。
・SUS304TF : 1010℃以上、固溶化熱処理、急冷
・SUS304HTF : 1040℃以上、固溶化熱処理、急冷
・SUS309TF : 1030℃以上、固溶化熱処理、急冷
・SUS310TF : 1030℃以上、固溶化熱処理、急冷
・SUS316TF : 1010℃以上、固溶化熱処理、急冷
・SUS316HTF : 1040℃以上、固溶化熱処理、急冷
・SUS321TF : 920℃以上、固溶化熱処理、急冷(※1)
・SUS321HTF : 冷間仕上、1095℃以上、固溶化熱処理、急冷/熱間仕上、1050℃以上、固溶化熱処理、急冷
・SUS347TF : 980℃以上、固溶化熱処理、急冷
・SUS347HTF : 冷間仕上、1095℃以上、固溶化熱処理、急冷/熱間仕上、1050℃以上、固溶化熱処理、急冷(※1)
(※1)
SUS321TF 及び SUS347HTF については、安定化熱処理を指定してもよく、この場合の熱処理温度は、850〜930℃とする。
ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管の機械的性質(引張強さ、耐力)は以下の通り。単位は、N/mm2
上記のオーステナイト系ステンレス鋼管の機械的性質は、引張強さ:520N/mm2、降伏点又は耐力:205N/mm2以上とする。
JIS G 3468 配管用溶接大径ステンレス鋼管
Large diameter welded stainless steel pipes
概要:
耐食用、低温用、高温用などの配管に用いる溶接大径ステンレス鋼管(ステンレスパイプ)について。
配管用溶接大径ステンレス鋼管の材料及び製造方法、機械的性質、寸法・質量及び寸法許容差、水圧試験特性又は非破壊検査特性、外観、試験、検査、表示など。
配管用溶接大径ステンレス鋼管の種類には、以下の15種類があり、その鋼種記号と熱処理を行う場合の鋼種ごとの熱処理方法は以下の通り。
【オーステナイト系】
・SUS304TPY : 1010℃以上にて固溶化熱処理、急冷
・SUS304LTPY : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS309STPY : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS310STPY : 1030℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS315J1TPY : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS315J2TPY : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316TPY : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS316LTPY : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS317TPY : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS317LTPY : 1010℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS321TPY : 920℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS347TPY : 980℃以上で固溶化熱処理、急冷
【オーステナイト系・フェライト系】
・SUS329J1TPY : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS329J3LTPY : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
・SUS329J4LTPY : 950℃以上で固溶化熱処理、急冷
配管用溶接大径ステンレス鋼管は、原則として製造のままとする。
特に注文者の要求によって熱処理を行う場合には、ステンレス鋼種により上記に列記したような固溶化熱処理を行い、酸洗又はこれに準じる処理を行う。
ただし、上記に列記した以外の熱処理については、受渡当事者間の協定による。
なお、配管用溶接大径ステンレス鋼管に固溶化熱処理を行った場合の熱処理の記号は、”S”と表記する。
また、SUS321TPY、SUS347TPY については、安定化熱処理を指定してもよく、この場合の熱処理温度は、850〜930℃とする。
配管用溶接大径ステンレス鋼管の製造に使用される材料は、JIS G 4304(熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)若しくは、JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)に規定される鋼板又は鋼帯が使用される。
ただし、固溶化熱処理を行う場合には、鋼板及び鋼帯での熱処理は省略しても良い。
溶接大径ステンレスパイプ・鋼管は、自動アーク溶接、若しくはレーザー溶接によって製造する。
ただし、自動アーク溶接は、原則として溶加材を使用したアーク溶接を行う。
配管用溶接大径ステンレス鋼管の機械的性質(引張強さ、耐力)は以下の通り。単位は、N/mm2
・SUS304TPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS304LTPY : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS309STPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS310STPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS315J1TPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS315J2TPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316TPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS316LTPY : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS317TPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS317LTPY : 引張強さ:480以上/耐力:175以上
・SUS321TPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS347TPY : 引張強さ:520以上/耐力:205以上
・SUS329J1TPY : 引張強さ:590以上/耐力:390以上
・SUS329J3LTPY : 引張強さ:620以上/耐力:450以上
・SUS329J4LTPY : 引張強さ:620以上/耐力:450以上
JIS G 7222 圧力用継目無鋼管−技術的受渡条件−第4部:オーステナイトステンレス鋼管(ISO仕様)
Seamless steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 4: Austenitic stainless steels (ISO specifications)
概要:
オーステナイトステンレス鋼から製造され、室温、低温及び高温における圧力用途及び耐食用途に適用する、円形断面をもつ継目無管の技術的受渡条件について。
ここでの鋼管類は、例えば、圧力容器、化学プラント、蒸気発生装置の製造、連結配管などで使用されるもので、高圧下での使用を前提としている。
この規格によって製造する鋼管には、それが使用される用途に応じて、室温特性、低温じん性及び高温耐力などを規定しても良い。
使用者は、使用に際して、適切な適用規格(例えば、ISO1129、ISO2037、ISO6759、ISO7598)及び国内の法的関連規定の要求事項を考慮しなければならない。
この規格は、非円形断面をもつ管の製造に対しても、基本規格として使用しても良い。
この場合、この規格に規定されている化学成分及び機械的性質の規定値は適用しても良いが、そのほかの規定値については、受渡当事者間の協定による。
なお、この規格は、石油・天然ガス産業用ケーシング、チュービング、ドリルパイプ及びラインパイプ、ガス・水及び汚水の輸送管には適用しない。
この規格に規定されているオーステナイトステンレス鋼管には17種類の鋼管が規定されている。
JIS G 7226 圧力用溶接鋼管−技術的受渡条件−第6部:長手溶接オーステナイトステンレス鋼管(ISO仕様)
Welded steel tubes for pressure purposes -- Technical delivery conditions -- Part 6: Longitudinally welded austenitic stainless steel tubes (ISO specifications)
概要:
オーステナイトステンレス鋼から製造され、室温、低温及び高温における圧力用途及び耐食用途に適用する、円形断面をもつ長手方向に溶接された鋼管の技術的受渡条件について。
ここでの鋼管類は、例えば、圧力容器、化学プラント、蒸気発生装置の製造、連結配管などで使用されるもので、高圧下での使用を前提としている。
この規格によって製造する鋼管には、それが使用される用途に応じて、室温特性、低温じん性及び高温耐力などを規定しても良い。
使用者は、使用に際して、適切な適用規格(例えば、ISO1129、ISO2037、ISO6759、ISO7598)及び国内の法的関連規定の要求事項を考慮しなければならない。
この規格は、非円形断面をもつ管の製造に対しても、基本規格として使用しても良い。
この場合、この規格に規定されている化学成分及び機械的性質の規定値は適用しても良いが、そのほかの規定値については、受渡当事者間の協定による。
なお、この規格は、石油・天然ガス産業用ケーシング、チュービング、ドリルパイプ及びラインパイプ、ガス・水及び汚水の輸送管には適用しない。
この規格に規定されているオーステナイトステンレス鋼管には12種類の鋼管が規定されている。

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