配管記号,図記号|配管図などの図面に使われる記号など
主に各種プラント設備や建築設備など、配管に関わる図面を設計・製図する場合には、配管はもとよりバルブ・弁、計装機器などの配管材料などについても図面に図示する必要があります。
製図の際、それら配管や計器・バルブなどを実物と同じように詳細に描くことは全く非効率であり、また、一般に設備配管の図面などにおいては多くの配管や機器が込み合う場合が多く図面縮尺も小さいために、配管や配管材料を忠実に図示することはできません。
そのため、下の図のように配管や計器・バルブ・弁・フランジ・継手(フィッティング)などの配管部品を簡略的な記号で図示する慣例があります。
機械図面は、それが組立図面であっても組立加工方法などが示してあったり、しかもその寸法は非常に正確な精度を必要とするものになります。
それに反して配管図面は、配管部品の組立図であり、その寸法精度も配管の据付け現場での機器類への配管取り付けや機器の基礎の施工などを考慮すればあまり細かいことは必要としません。
このような特色からも配管図面は、配管を構成する部品の図示法を記号化して、この記号の組み合わせによって画かれるのが慣例になっています。
配管図面の製図に用いられるこのような配管記号・図記号や配管図面の書き方にはある程度決まりごとがあります。
配管や配管部品の記号や配管の簡略図示方法は、以下のようなJISにもある程度規定されていますが、複雑な、しかも種類が多い配管図面の作図には十分とは言えないので、各企業の設計・エンジニアそれぞれに工夫してこれらの不足分を補っているのが一般的です。
- JIS B 0011-1 製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図
- すべての材料製のあらゆる種類の管及び配管(剛体及び可とう体)を表すための簡略図の作成について。
管又は配管を簡略化された方法で図示しなければならないときの簡略図の作成方法。
この規格で示す方法は、換気装置又は空気調和装置のような類似の設備の図示にも有用な場合がある。
そのようなときには、”管”を”ダクト”などに置き換えるのがよい。 - JIS B 0011-2 製図―配管の簡略図示方法―第2部:等角投影図
- JIS B 0011-1 に規定する通則に加えて、等角投影図に適用する補足規則について。
等角投影図は配管の特徴を三次元で明確に表したい場合に用いる。 - JIS B 0011-3 製図―配管の簡略図示方法―第3部:換気系及び排水系の末端装置
- 配管系の換気及び排水の末端装置の製図に用いる簡略図示方法について。
- JIS B 0125-1 油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第1部:図記号
- 油圧及び空気圧機器並びに装置の機能を表示するための図記号について。
- JIS B 0125-2 油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第2部:回路図
- JIS B 0125-1 で制定した図記号を用いて油圧及び空気圧回路を書くための主要な規則について。
- JIS B 2004 バルブの表示通則
- バルブ・弁に表示しなければならない表示項目やその表示方法など、バルブの表示通則について。
- JIS B 2005-5 工業プロセス用調節弁−第5部:表示
- 調節弁の表示しなければならない必須表示及や補足表示及びその表示位置や表示方法について。
- JIS F 7005 船用配管の識別
- 船における配管系統内の流体の種類の識別を、主として色によって表示する場合の一般事項について。
- JIS F 7006 船舶配管系統図記号
- 船舶の配管系統図に使用する配管及びその附属品の図記号について。
- JIS W 0601 航空宇宙-配管-識別
- 航空機及び宇宙機の各種系統における剛性管組立ての機能又は管内物質の適切な表示方法に対する要求事項について。
- JIS Z 8204 計装用記号
- 化学、鉄鋼、石油精製などの装置工業の工程図などに、計測制御の機能又は設備を表す計装用記号について。
この規格で規定する計装用記号は、設計図、配管図、仕様書、カタログ、見積書、注文書、そのほか技術上又は取引上の図面、文書などに計測制御の機能又は設備を記載する場合や、計測用機器、その附属品、配管及び配線を識別又は表示する場合などにも用いるのが望ましい。 - JIS Z 8207 真空装置用図記号
- 真空技術に使用する図記号について。
- JIS Z 8209 化学プラント用配管図記号
- 化学プラントの配管図の製図及びこれに用いる記号について。
- JIS Z 8840 粉体機器−図記号
- 粉体処理のプロセスフローシート、エンジニアリングフローシートなどの図面において粉体機器を表示するための図記号について。
- JIS Z 8842 粉体計装機器記号
- 粉体処理のエンジニアリングフローシートなどの図面において粉体計装機器を表示するための記号について。
化学プラントや環境プラント、各種装置設備などにおける配管製図は、上述のような配管記号・図記号を使って用いて描かれます。
配管記号・図記号を用いて描かれる各種プラント設備などにおける図面には、各設計・施工ステージにおいて、一般に以下のような図面の種類があります。
- 組立図
- 平面配管図(Plane Drawing)
- 立面配管図(Side View Drawing)
- 立体配管図(Isometric Piping Drawing:アイソメ図)
- 部分組立図(Spool Drawing:スプール図)
- 工程図
- 系統図(PID:Piping and Instrument Diagram / UFD:Utility Flow Diagram など)
- 配置図(Plot Plan)
ここではこれらの図面についての説明や、配管記号・図記号を用いて描かれる配管図面の書き方などについても解説しています。
■ 配管の図記号|各種配管の図示方法
一般配管(新設管、既設管など)、トレース配管(抱管)、二重管、保温管・保冷管など、各種の配管(パイプ)を図示するための記号について。
■ 接続・交差・重複状態などの配管の図示方法・表現例
配管とフィッティング及び配管同士の継ぎ方・接続方法別の図記号、配管が接続せずに交差したり重なり合った状態を表現する図示方法などについて。
■ 配管系の立体的表示方法|投影による配管の表し方
配管図面の製図において、正投影法により配管系を立体的に表示する製図方法・図記号について。具体例を挙げて説明。
■ エルボ継手を配管図面に製図する場合の図記号例・描き方
配管図面の製図において、管継手の一種であるエルボを記号表示するための記号や製図例・書き方。
90°・45°、ロング・ショートなどのエルボや配管との接続端面形状の違いにる記号の書き方の違いなど。
■ ティー継手(T)及びキャップを配管図面に製図する場合の図記号例・描き方
配管図面の製図において、管継手の一種であるティー・キャップを記号表示するための記号や製図例・書き方。
ティーと配管との接続形状やサイズ・径及び図面縮尺の違いにる記号の書き方の違いなど。
■ レジューサ継手を配管図面に製図する場合の図記号例・描き方
配管図面の製図において、管継手の一種であるレデューサーを記号表示するための記号や製図例・書き方。
レジューサと配管との接続形状やサイズ・径及び図面縮尺の違いにる記号の書き方の違いなど。
■ 配管分岐用継手を配管図面に製図する場合の図記号例・描き方
配管図面の製図において、ティー継手以外の分岐配管継手を記号表示するための記号や製図例・書き方。
オーレット、ハーフカップリング及びボスと配管との接続形状やサイズ・径及び図面縮尺の違いにる記号の書き方の違いなど。
■ ユニオン継手その他を配管図面に製図する場合の図記号例・描き方
配管図面の製図において、ユニオン、フルカップリング、プラグ、スウェジドニップルなどの配管継手を記号表示するための記号や製図例・書き方。
■ フランジを配管図面に製図する場合の図記号例・描き方
配管図面の製図において、突合せ溶接式、差込み溶接式、ソケット溶接式、ねじ込み式、ルーズフランジなどの各種フランジを記号表示するための記号や製図例・書き方。
■ バルブ・弁を配管図面に製図する場合の図記号例・描き方
配管図面の製図において、バルブ・弁記号を図示するための図記号・書き方など。JIS製図によるバルブ記号一覧。
逆止弁、減圧弁、電磁弁、ボールバルブ等の書き方。接続形状や配管図面の種類別の図記号例など。
■ その他の各種配管部品を配管図面に製図する場合の図記号例・描き方
配管図面の製図において、ストレーナー、スチームトラップ、エキスパンションジョイント、フレキシブルホース等の配管部品を図示するための図記号・書き方。図面種類・接続形状・縮尺別の書き方など。
■ 流量計・圧力計・温度計などの計器類を配管図面に製図する場合の図記号例等
流量計(オリフィスプレート式等)、圧力計、温度計などの計器類の解説や、配管図面の製図でそれらの計装記号を図示するための図記号・書き方。図面種類別の書き方など。
■ 配管サポート・支持金具・金物を配管図面に製図する場合の図記号例等
シュー(アンカー・ガイド・ストッパー)、スプリングハンガー、ブラケットなどのパイプサポート・支持金具記号を図示するための図記号・書き方。図面種類別の書き方など。
■ その他の文字記号例等
配管図の製図における寸法記入方法、高さ・こう配・断面・詳細・流れ方向、ラインマーク、マッチライン、クラスチェンジ、レデューサの区別などの文字記号例、図面の書き方。
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