配管図面におけるエルボ継手の記号例・製図方法
ここでは配管継手(フィッティング)の一種であるエルボ(90°エルボ、45°エルボ、ロングエルボ、ショートエルボ)を、配管図面に製図する場合のエルボの図記号例、図面の描き方・製図方法について例を挙げてまとめています。
配管の状態を正投影法により二次元的に表現する組立図や平面配管図・立面配管図に図示する場合のエルボ継手の記号や、等角図(アイソメ図)に図示する場合のエルボ継手の記号、配管との接続方法の違いによるエルボ継手の図記号など、それぞれの場合の製図方法を例を挙げて説明します。
■ エルボとは
エルボとは、以下の図のように、互いにある角度をなす二つの配管(管・パイプ)の接続に用い、曲率半径が比較的小さい管継手(フィッティング)のことです。
配管との接続方法の違いにより、以下の種類があります。
- 突合せ溶接式エルボ(上図中央)
- 差込み溶接式エルボ(上図右)
- ねじ込み式エルボ(上図左)
両端の配管との接続面同士がなす角度の違いにより、90°エルボや45°エルボなどがあります。
また、曲率半径の違いによっても、ロングエルボとショートエルボがあります。
ロングエルボは、曲率半径(r)がエルボ直径(D)の1.5倍(r=1.5D)のエルボであり、ショートエルボは、曲率半径がエルボ直径と同じ(r=1.0D)のエルボです。
■ 図示記号の配置の説明
以降に示すエルボ記号(エルボの書き方)の図示記号の配置の意味は次のようになります。
- A.平面図:上から正投影した場合の図示例
- B.立面図(側面から見た図):A.平面図を手前上から正投影した場合の図示例
- C.立面図(側面から見た図):B.立面図を右側から正投影した場合の図示例
- D.等角図(アイソメ図):等角投影した図示例
■ 90°エルボ継手の図示記号例・製図方法例
90°エルボ(90°ロングエルボ)継手を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【突合せ溶接式 90°エルボ(ロング)の記号例】(1形)
- 【突合せ溶接式 90°エルボ(ロング)の記号例】(2形)
- 【差込み溶接式及びねじ込み式 90°エルボ(ロング)の記号例】(1形)
■ 45°エルボ継手の図示記号例・製図方法例
45°エルボ(45°ロングエルボ)継手を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【突合せ溶接式 45°エルボ(ロング)の記号例】(1形)
- 【突合せ溶接式 45°エルボ(ロング)の記号例】(2形)
- 【差込み溶接式及びねじ込み式 45°エルボ(ロング)の記号例】(1形)
- 備考1.
- 1形と2形のエルボ図記号は、配管径と図面との尺度を勘案して使い分けます。
ただし、同一配管系では、1形・2形の図記号を混用してはいけません。
なお、図面との縮尺にもよりますが、2形の図示記号は、一般的には呼び径14B(350A)くらいを境にしてそれより大きな配管径の場合に用いられます。
また、通常は差込溶接式及びねじ込み式は、大径配管には使われないので、2形で差込溶接式及びねじ込み式エルボ継手を図示することは一般にはありません。
アイソメ図(等角図)には1形・2形の区別はなく、基本的には実線で描かれます。 - 備考2.
- 90°或いは45°以外の角度のエルボの場合には角度の表示を付けたり、ショートエルボの場合には、以下の図のように文字記号”S”を付けて区別します。
■ マイタベンドの図示記号例・製図方法例
マイタベンドを、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【マイタベンドの記号例】
- 備考3.
- マイタベンドとは(英語:miter bend)、互いにある角度をなす二つの管の接続に用い、管を斜めに継いで作られる配管継手のことで、曲管、或いは曲り管などとも言われます(下図参照)。
マイタベンド(曲管又は曲り管)