配管図面におけるティー継手・キャップの記号例・製図方法
ここでは配管継手(フィッティング)の一種であるティー(T:Tee)及びキャップ(Cap)を、配管図面に製図する場合のティー及びキャップの図記号例、図面の描き方・製図方法について例を挙げてまとめています。
配管の状態を正投影法により二次元的に表現する組立図や平面配管図・立面配管図に図示する場合のティー継手・キャップの記号や、等角図(アイソメ図)に図示する場合のティー継手・キャップの記号、配管との接続方法の違いによるティー継手・キャップの図記号など、それぞれの場合の製図方法を例を挙げて説明します。
■ ティーとは
ティーとは、アルファベットの”T”と書いたり、或いは”チーズ”とも呼ばれ、以下の図のように、三つのパイプ(管)をT字状に接続するために用いるT形の管継手(フィッティング)のことです。
配管との接続方法の違いにより、以下の種類があります。
- 突合せ溶接式ティー(上図中央)
- 差込み溶接式ティー(上図右)
- ねじ込み式ティー(上図左)
ティー継手は、配管系を三つまたに分岐する際によく利用される配管継手(フィッティング)です。
■ キャップとは
キャップとは、英語では”Cap”と書き、以下の図のように、配管の末端を閉鎖するために用いる帽子状の管継手(フィッティング)のことです。
配管との接続方法の違いにより、以下の種類があります。
- 突合せ溶接式キャップ(上図中央)
- 差込み溶接式キャップ(上図右)
- ねじ込み式キャップ(上図左)
配管の末端を閉鎖(閉止)するために用いられる配管部品としては、キャップのほかに以下の図のような”閉止フランジ(ブラインドフランジ)”が使われる場合もあります。
閉止フランジ(ブラインドフランジ)を使う場合には、閉止フランジの相手方となるフランジを配管の末端に接続して、その相手方のフランジと閉止フランジとをボルト・ナットで固定します。
■ 図示記号の配置の説明
以降に示すティー継手・キャップ記号(ティー継手・キャップの書き方)の図示記号の配置の意味は次のようになります。
- A.平面図:上から正投影した場合の図示例
- B.立面図(側面から見た図):A.平面図を手前上から正投影した場合の図示例
- C.立面図(側面から見た図):B.立面図を右側から正投影した場合の図示例
- D.等角図(アイソメ図):等角投影した図示例
■ ティー継手(T)の図示記号例・製図方法例
ティー継手(T)を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【突合せ溶接式 ティー継手(T)の記号例】(1形)
- 【突合せ溶接式 ティー継手(T)の記号例】(2形)
- 【差込み溶接式及びねじ込み式 ティー継手(T)の記号例】(1形)
■ キャップ(Cap)の図示記号例・製図方法例
キャップ(Cap)を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【突合せ溶接式 キャップ(Cap)の記号例】(1形)
- 【突合せ溶接式 キャップ(Cap)の記号例】(2形)
- 【差込み溶接式及びねじ込み式 キャップ(Cap)の記号例】(1形)
- 備考1.
- 1形と2形のティー継手・キャップ図記号は、配管径と図面との尺度を勘案して使い分けます。
ただし、同一配管系では、1形・2形の図記号を混用してはいけません。
なお、図面との縮尺にもよりますが、2形の図示記号は、一般的には呼び径14B(350A)くらいを境にしてそれより大きな配管径の場合に用いられます。
また、通常は差込溶接式及びねじ込み式は、大径配管には使われないので、2形で差込溶接式及びねじ込み式ティー継手又はキャップを図示することは一般にはありません。
アイソメ図(等角図)には1形・2形の区別はなく、基本的には実線で描かれます。