配管図面におけるユニオンなど その他の継手の記号例・製図方法
ここでは配管継手(フィッティング)の一種であるユニオン(Union)のほか、プラグ(Plug)、フルカップリング(Full Coupling)、スウェジドニップル(Swaged nipple)などの差込み溶接式及びねじ込み式継手を、配管図面に製図する場合のレデューサーの図記号例、図面の描き方・製図方法について例を挙げてまとめています。
配管の状態を正投影法により二次元的に表現する組立図や平面配管図・立面配管図に図示する場合のユニオンの記号や、等角図(アイソメ図)に図示する場合のユニオンの記号、配管との接続方法の違いによるユニオン継手の図記号など、それぞれの場合の製図方法を例を挙げて説明します。
■ ユニオンとは
ユニオンとは、英語では”Union”と書き、以下の図のように、ユニオン式の組立管継手で、部品をユニオンナット及びユニオンねじで挟んで接続する接合方式の管継手(フィッティング)のことです。
JISでは、JIS B 2301(ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手)などに規定されています。
ユニオンは、フランジと同様に、配管の途中に設けることにより、配管の脱着を容易にします。
ユニオンのシール面は、金属と金属が接触してシールするもの(メタルタッチ)や、その間にパッキンを使用するユニオンなどがあり、一般に低圧であまり温度の高くない配管系に使用されます。
ねじ込み継手を使用している配管系の場合には、ネジ部からの内部流体の漏れがあった場合にねじ部の増し締めが必要であり、この場合の対策として配管系の適所にユニオンを設けておくことにより、増し締めを容易にすることができます。
ユニオンには、配管との接続方法の違いによって、以下の種類があります。
- 差込み溶接式ユニオン
- ねじ込み式ユニオン
■ フルカップリングとは
フルカップリングとは、英語では”Full Coupling”と書き、以下の図のように、二つの配管を直線状に接続するために用いる主としてソケット溶接式の管継手(フィッティング)のことです。
単に、”カップリング”と呼ばれる場合もあります。
フルカップリングは、JISでは、JIS B 2316(配管用鋼製差込み溶接式管継手)などに”FC”の記号で規定されています。
■ プラグとは
プラグとは、英語では”Plug”と書き、以下の図のように、キャップ(Cap)や閉止フランジと同様に配管の末端を閉鎖したり、配管穴を閉鎖するために用いる栓状の管継手(フィッティング)のことです。
単に、”カップリング”と呼ばれる場合もあります。
プラグは、JISでは、JIS B 2301(ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手)などに規定されています。
■ スウェジドニップルとは
スウェジドニップルとは、英語では”Swaged Nipple”と書き、レデューサの小径側に短管を接続したような形状をしている管継手(フィッティング)のことです。
スウェジドニップルは、配管系のドレンを排出するためのバルブを接続する際などに使用されます。
■ 図示記号の配置の説明
以降に示すユニオン記号(ユニオン継手の書き方)などの図示記号の配置の意味は次のようになります。
- A.平面図:上から正投影した場合の図示例
- B.立面図(側面から見た図):A.平面図を手前上から正投影した場合の図示例
- C.立面図(側面から見た図):B.立面図を右側から正投影した場合の図示例
- D.等角図(アイソメ図):等角投影した図示例
■ ユニオン継手の図示記号例・製図方法例
ユニオン継手を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【差込み溶接式及びねじ込み式 ユニオン継手の記号例】(1形)
■ フルカップリング継手の図示記号例・製図方法例
フルカップリング継手を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【差込み溶接式及びねじ込み式 フルカップリング継手の記号例】(1形)
■ プラグ継手の図示記号例・製図方法例
プラグ継手を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【差込み溶接式及びねじ込み式 プラグ継手の記号例】(1形)
■ スウェジドニップル継手の図示記号例・製図方法例
スウェジドニップル継手を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の表示記号例を以下に示します。
- 【差込み溶接式及びねじ込み式 スウェジドニップル継手の記号例】(1形)