配管図面におけるパイプサポート(配管サポート)の記号例・製図方法
ここではプラント設備などの配管系の荷重を支持するために使用される各種のパイプサポート・支持金具を、配管図面に製図する場合のそれらの図記号例、図面の描き方・製図方法についてパイプサポートの種類とともに例を挙げてまとめています。
パイプサポートの状態を正投影法により二次元的に表現する組立図や平面配管図・立面配管図に図示する場合の記号や、等角図(アイソメ図)に図示する場合の記号、配管支持荷重の違いによる各種パイプサポート・金具の図記号など、それぞれの場合の製図方法を例を挙げて説明します。
■ パイプサポートとは
パイプサポートとは、配管サポートや配管支持装置などとも呼ばれ、パイプをはじめ継手・バルブ・計器類などの配管部品から構成される配管系かかる荷重を緩和するたの配管支持金物・金具・装置の総称のことです。
パイプサポートは、単に配管系を支持するだけでなく、配管系を完全に固定するもの(アンカー)、方向の移動を制御(ある方向は移動を許し、特定の方向は移動を拘束するなどの制御)するもの、全方向の移動を許しながらその荷重(自重)を支えるもの、振動・衝撃などの動的荷重を制御するものなど、その目的によって多くの種類があります。
詳しくはこちらを参照ください。
パイプサポートとは|配管支持金具の種類・選定方法など
■ 配管サポートの設計・計画・図示など
配管系は、機器類との接続部やパイプ自体にかかる力を緩和するために、適切な位置・方法によりパイプサポートを設置することで荷重支持する必要があります。
設置するパイプサポートの位置やサポート方法は、一般には設計段階である配管レイアウト時から考慮する必要があります。
組立図やアイソメ図などの配管図面には、これらのパイプサポートの位置やその種類、支持方法などの情報を明確に図示して、サポートの現場取付を容易にしなければなりません。
パイプサポートは、単に配管系を支えるだけでなく、その支持荷重の種類や目的などにより多様化するので、図面におけるそれぞれのサポート記号を統一することは出来ませんが、多用されパイプサポートはできるだけ標準化・記号化して図示することが作業及び設計効率の向上にも役立ちます。
また、配管図面のそれぞれのサポートに番号を付け、図面の右側の空白部にこれらのサポート番号やそれを表す図面番号などを記載すると、サポートの製作や現場での取付け作業にも役立ちます。
■ パイプサポート・支持金具・金物の記号・製図方法例
各種のパイプサポートや配管支持金具・金物を、正投影法により平面図及び立面図の配管図面や、等角投影によりアイソメ図(等角図)に製図する場合の図記号例を以下に示します。
- 【一般的なパイプサポート記号例】
- 【ブラケットサポート記号例】
- 【塔槽用ブラケット記号例】
- 【トラニオンサポート(ダミーサポート)記号例】
- 【スプリングハンガー(バリアブルハンガー)記号例】
- 【スプリングハンガー(コンスタントハンガー)記号例】
- 【Uボルト記号例】
- 【Uバンド(ストラップ)記号例】
- 【パイプハンガー記号例】
- 【パイプシュー(フリー)記号例】(備考1.)
- 【パイプシュー(アンカー)記号例】(備考1.)
- 【パイプシュー(ガイド)記号例】(備考1.)
- 備考1.
- パイプシューについては、以下の図のようにストッパー(軸方向の動きを拘束)、アンカー(完全固定)及びガイド(軸直角方向の動きを拘束)の区別を表現する場合もあります。
- 【パイプシュー(ストッパー)記号例】
- 【パイプシュー(アンカー)記号例】
- 【パイプシュー(ガイド)記号例】