STPY400(配管用アーク溶接炭素鋼鋼管)のサイズ、径、重量など
ここでは使用圧力の比較的低い〔1.5MPa(15kgf/cm2 )以下程度までの圧力〕蒸気、上水道用を除く水、油、ガス、空気などの流体の輸送などに主に配管に用いられるSTPY400配管(配管用アーク溶接炭素鋼鋼管)の配管サイズ・径、重量などの資料をまとめています。
■ STPY400(配管用アーク溶接炭素鋼鋼管)ついて
STPY400は、ガスや空気、水用など、さまざまな用途に用いられる配管です。
主に呼び径が400A(16B)〜2000A(80B)程度までのサイズの大口径配管で、通常はパイプ1本の長さは4000mm以上になります。
配管サイズの呼び方は、『呼び径×厚さ』、或いは、『外径×厚さ』で表されます。
例:400A×6.4 (又は 16B×6.4)
JIS規格においては、以下のJISで規定されている配管になります。
- JIS G 3457 配管用アーク溶接炭素鋼鋼管
JISに類似する対応外国規格(海外規格)には以下などがあります。
・ASTM A134、A211、A139
・BS 3601
・DIN 1626、17172
・API 5L
その他、STPY400の製造方法、化学成分、機械的性質などは以下のような仕様となっています(JIS規格より)。
- 製造方法
- アーク溶接鋼管であり、突合せ内外面サブマージアーク溶接法によるスパイラルシーム溶接又はストレートシーム溶接によって製造します。
溶接のままとするか、又は溶接後冷間拡管成形したままとし、通常、熱処理を行いません。
パイプの両端は、プレンエンド又はベベルエンドとし、通常、ベベルエンドの形状は特に指定のない限りは以下の形状となります(厚さt=22mm以下について)。
- 化学成分
- STPY400の化学成分(溶鋼分析値)は、JIS G 0320(鋼材の溶鋼分析方法) に従った分析方法により分析試験が行われ、以下の数値となります。
・C:0.25%以下
・P:0.040%以下
・S:0.040%以下
- 機械的性質
- STPY400のパイプ又はパイプに使用する鋼帯或いは鋼板は、引張強さ、降伏点又は耐力、及び伸びに関して試験が行われ、それぞれ以下の数値となります。
・引張強さ(N/mm2):400以上
・降伏点又は耐力(N/mm2):225以上
・伸び(5号試験片横方向):18%以上
但し、伸びについて、厚さ8mm未満の管の5号試験片(横方向)の伸びの最小値は以下となります。
・7mmを超え8mm未満の伸び:18%
・6mmを超え7mm以下の伸び:16%
・5mmを超え6mm以下の伸び:15%
■ STPY400のサイズ、重量、厚さ(肉厚)、許容差
STPY400配管の寸法、厚さ、重量(質量)は以下の表になります。
上記のSTPY400サイズ表において、重量(質量)の数値は、1cm3 の鋼を 7.85g とし、以下の式によって計算される数値です。
W=0.02466t(D−t)
ここに、
W:管の単位質量(kg/m)
t:管の厚さ(mm)
D:管の外形(mm)
- 寸法許容差
- STPY400配管の外径サイズと厚さ(肉厚)の許容差は、それぞれ以下となります。
■外径の許容差:±0.5(測定は、周長による。)
■厚さの許容差:
呼び径が450A(18B)以下のもの:(+15、−12.5)
呼び径が450A(18B)を超えるもの:(+15、−10)
なお、外径の許容差の判定は、周長実測値又は周長実測値からの換算外径のいずれかによっても良いことになっています。
その際、外径と周長の相互換算は、次の式によって計算されます。
l=π×D
l:周長(mm)、π=3.1416、D:外径(mm)